日本食品科学工学会誌
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プレカラムーダンシル誘導体化高速液体クロマトグラフィーによる食品中のε-ポリリジンの定量
菱山 隆中村 実氏家 隆
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1996 年 43 巻 10 号 p. 1105-1109

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抄録

食品中のε-PLの定量法を作成した.均質化した試料にpH 10のホウ酸緩衝液を加え振とうし,ε-PLを抽出した.これに1%ダンシルクロリドーアセトン溶液を加え,40℃, 16時間ダンシル誘導体化後,6N塩酸中で,窒素ガスを通気しながら,130℃, 24時間加水分解した.生成したα-DNS-LysをHPLCで測定することで,食品に添加されたε-PLを定量することが可能であった.試料にポテトサラダ,鮫子の皮及びめんつゆを用いた添加回収試験(添加量0.05~5g/kg)は,回収率85~100%と良好な結果が得られた.しかし,一部の発酵食品では,ε-PL無添加でもα-DNS-Lysを検出する場合があった.このような場合は,ε-PL無添加品を同時に測定し,α-DNS-Lysとして検出される分を差し引く必要があると考えた.

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