5~40% (w/w)の固形分濃度に調整した三種類の液体食品(牛乳,全脂粉乳溶液,コーヒー)の密度を0~60℃の温度範囲で測定した.その結果,以下の知見を得た.
(1) 全ての試料の各固形分における密度と温度の関係は,次のALFREDの式に良く適合した.
(2) 熱膨張係数の定義式と同様に濃度収縮係数を定義して,密度の逆数である比容積と温度,濃度の関係を示す次式を仮定した.
最小二乗法により上式にあてはめたところ,測定値と計算値は良く一致し,上式の仮定は妥当である.
また,密度の測定値と上式を変形した次式による計算値は良く一致し,密度を温度と濃度の関数で表すことができる.
(3) 熱膨張係数の定義式と上項(2)の結果から,ln
Vを温度
Tで微分することにより液体の熱膨張係数が求められる.すなわち,熱膨張係数αはで表され,濃度に関して一次関数である.
同様に濃度収縮係数βはln
Vを濃度
Cで微分してで表され,温度に関して一次関数で表される.
このように,比容積と密度は,温度,固形分濃度の関数として示されるため,実用上有用である.
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