日本食品科学工学会誌
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43 巻, 10 号
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  • 宮下 和夫
    1996 年 43 巻 10 号 p. 1079-1085
    発行日: 1996/10/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 山口 敏康, 高橋 尚史, 中川 泰孝, 竹内 昌昭
    1996 年 43 巻 10 号 p. 1086-1091
    発行日: 1996/10/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    魚類において脂質が魚体のある部分に偏在することを利用し,脂質含量の測定に画像解析の技術を適用することを試みた.
    アユ,マイワシおよびサンマの横断切片を試料とした.試料の入力方法として転写法,非染色切片および染色切片の直接法あるいは写真法を採用した.画像解析は,入力画像の雑音除去,階調値分布の解析後,階調変換により二値化処理を行い,試料断面の脂肪組織の画素数を計測し,試料断面全体の画素数に対すその比から脂質含量を求めた.
    すべての魚種の画像測定においてB成分を採用した.画像解析法により求めた脂質含量を同切片を溶媒抽出して得られた脂質含量と比較した.養殖アユの写真法において非染色切片で相関係数0.981,染色切片で0.980と高い相関が認められた.また,マイワシおよびサンマの非染色切片における写真法および直接法においても比較的高い相関が得られた.
    これらのことから,脂肪組織と筋肉組織を比較的明瞭に区別できるアユおよびマイワシなどの魚種において,画像解析方法は脂質含量の迅速かつ簡便な評価方法になるものと考えられた.
  • 小野 晴寛, 足立 圭子, 福家 洋子, 篠原 和毅
    1996 年 43 巻 10 号 p. 1092-1097
    発行日: 1996/10/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    1) 沢わさびの水抽出画分を試料として,ヒト胃がん培養細胞MKN-28の増殖抑制作用を示す成分を単離し構造を決定した.
    2) Sephadex G-15で分取されたP 5画分は,5FU, MMCなどの抗がん剤よりも強い細胞増殖抑制活性を示した.
    3) FAB-MS, EI-MSによる測定結果から活性成分の分子量は205と決定され,組成式をC8H15N1O1S2とした.
    4) IRおよび二次元NMRスペクトルの結果より活性成分の構造式を6-methylsulfinylhexyl isothiocyanateと決定した.
  • 小島 登貴子, 関根 正裕, 杉山 純一, 石田 信昭, 永田 忠博
    1996 年 43 巻 10 号 p. 1098-1104
    発行日: 1996/10/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    NMRによるめんの23Naと1Hの緩和時間測定を試み,乾燥状態や食塩添加量の影響を検討し,次の結果を得た.
    (1) 23NaのT1, T2はめんの中の水の量と高い相関があった.
    (2) 1HのT1は,Short成分とLong成分とに分けられ,乾燥工程中のT1値の変化に違いが認められた.
    (3) 1Hの各成分のT1値の変化は,食塩添加量2~6%と8%で異なった.この食塩添加量についてレオログラフマイクロによる物性の測定結果との対応が見られた.
  • 菱山 隆, 中村 実, 氏家 隆
    1996 年 43 巻 10 号 p. 1105-1109
    発行日: 1996/10/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    食品中のε-PLの定量法を作成した.均質化した試料にpH 10のホウ酸緩衝液を加え振とうし,ε-PLを抽出した.これに1%ダンシルクロリドーアセトン溶液を加え,40℃, 16時間ダンシル誘導体化後,6N塩酸中で,窒素ガスを通気しながら,130℃, 24時間加水分解した.生成したα-DNS-LysをHPLCで測定することで,食品に添加されたε-PLを定量することが可能であった.試料にポテトサラダ,鮫子の皮及びめんつゆを用いた添加回収試験(添加量0.05~5g/kg)は,回収率85~100%と良好な結果が得られた.しかし,一部の発酵食品では,ε-PL無添加でもα-DNS-Lysを検出する場合があった.このような場合は,ε-PL無添加品を同時に測定し,α-DNS-Lysとして検出される分を差し引く必要があると考えた.
  • 村松 良樹, 田川 彰男, 北村 豊, 林 弘通, 田中 親紀
    1996 年 43 巻 10 号 p. 1110-1116
    発行日: 1996/10/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    5~40% (w/w)の固形分濃度に調整した三種類の液体食品(牛乳,全脂粉乳溶液,コーヒー)の密度を0~60℃の温度範囲で測定した.その結果,以下の知見を得た.
    (1) 全ての試料の各固形分における密度と温度の関係は,次のALFREDの式に良く適合した.
    (2) 熱膨張係数の定義式と同様に濃度収縮係数を定義して,密度の逆数である比容積と温度,濃度の関係を示す次式を仮定した.
    最小二乗法により上式にあてはめたところ,測定値と計算値は良く一致し,上式の仮定は妥当である.
    また,密度の測定値と上式を変形した次式による計算値は良く一致し,密度を温度と濃度の関数で表すことができる.
    (3) 熱膨張係数の定義式と上項(2)の結果から,lnVを温度Tで微分することにより液体の熱膨張係数が求められる.すなわち,熱膨張係数αはで表され,濃度に関して一次関数である.
    同様に濃度収縮係数βはlnVを濃度Cで微分してで表され,温度に関して一次関数で表される.
    このように,比容積と密度は,温度,固形分濃度の関数として示されるため,実用上有用である.
  • 呉 計春, 相良 泰行, 瀬尾 康久, 森嶋 博
    1996 年 43 巻 10 号 p. 1117-1123
    発行日: 1996/10/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    食パンの焼成プロセスにおける熱及び物質移動特性を解明するために,同一方法で作成した生地を異なる温度条件下で焼成し,焼成中における生地内温度と水分分布及び質量変化を経時的に計測した.また,焼成されたパンについて空隙率分布とクラスト厚さを測定した.以下にその結果について要約する.
    (1) 焼成温度が高くなるにつれて生地の温度上昇速度は速くなる傾向を示した.特に,この傾向はクラスト層において顕著に示された.また,クラムの温度は焼成温度条件に関係なく約100℃の平衡温度に到達し,その後クラム内はこの温度で均一に保たれた.
    (2) 焼成時間は焼成温度に依存し,焼減率と比例関係にある.
    (3) 焼成プロセスを乾燥現象とみなすと,焼成はいずれの焼成温度条件下でも予熱期間から始まり,恒率乾燥期間の途中で終結する.恒率乾燥期間はクラストを介して行われる熱と水蒸気移動のフラットクスの比が一定となる期間であり,その速度は焼成温度が高くなるにつれて速くなる.
    (4) クラスト層の含水率は焼減率の増加に伴って減少するが,クラム層では初期含水率に維持される.また,水分の蒸発面がクラスト層とクラム層の境界に存在する.
    (5) クラスト厚さは焼減率と線形関係にあり,焼成温度が高くなるほど厚くなる.
    (6) 空隙率分布は焼成温度によらずオーブンスプリング後に固定化され,その分布はクラスト層でも維持される.
  • 須見 洋行, 馬場 健史, 岸本 憲明
    1996 年 43 巻 10 号 p. 1124-1127
    発行日: 1996/10/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    納豆抽出液中に従来のナットウキナーゼでは説明できない強力なプロウロキナーゼアクチベーター活性を確認した.6種の市販納豆の活性はヒトプラズミンを標準として21.8±5.5CU/g湿重量であった.同酵素はゲル濾過法で分子量2.7万以上に3つ以上の活性ピークを示し,またDFPあるいはNPGBで阻害されるセリン酵素と思われた.
    この酵素を高力価含む乾燥粉末30gを5人の健常成人ボランティア(51~86歳,男女)に経口投与した結果,4~8時間目にわたるEFAの上昇あるいはFDPの増加から持続的な血中線溶亢進と血栓溶解の起こることが確認された.
  • 津久井 亜紀夫, 鈴木 敦子, 林 一也, 西山 隆造, 小原 直弘
    1996 年 43 巻 10 号 p. 1128-1132
    発行日: 1996/10/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    市販紙パック詰めりんご天然果汁100%にシソANおよび他のANの既知量を添加し,アルコール発酵中におけるpH,糖度(Brix),色調(ハンター尺度による),ANの変化を測定しANの安定性を検討した.
    (1) シソ,ブドウ,紫コーン,エルダーベリー,赤キャベツおよび紫甘藷の各種AN入りリンゴ果汁を7日間発酵させた時のANの退色率は,24~46%であった,特にエルダーベリーANの退色率が最も低く,紫コーンANが最も高かった.
    (2) シソAN添加リンゴ果汁を発酵させたとき,2日目でpHが僅かに減少,Brixおよび還元糖も減少した.このアルコール発酵が旺盛なときシソANの退色率は増加した.またグルコースを補糖した場合,AN退色率が高くなった.
    (3) シソANをHPLCにより測定したところ,主成分のマロニルシソニンが分解し,シアニジン3, 5-ジグルコシドが増加した.
  • ICP-MSによる環境試料中の痕跡元素の測定(第4報)
    猶原 順, 山下 栄次
    1996 年 43 巻 10 号 p. 1133-1137
    発行日: 1996/10/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    市販のボトル入り飲用水(ミネラルウォーター類)中のSe(分析質量:77)の濃度を2点検量線法で測定した.平均濃度は0.25ng/mlであり,全試料の約6割が0.2ng/ml以下であった.ミネラルウォーター(M: 10種類),ナチュラルウォーター(N: 21種類),ナチュラルミネラルウォーター(NM: 24種類)のSeの平均濃度の間に有意な差は認められなかった.最大値はSampleNo. 51のMで3.12ng/ml,最小値はSample No. 16のNとSample No. 26のNMで0.03ng/mlであった.いずれのミネラルウォーター類ともSeの水道水の水質基準値0.01mg/l以下であった.
  • 水口 建治, 若尾 庄児, 冨田 守, 設楽 英夫, 遠藤 雅人, 吉田 勝
    1996 年 43 巻 10 号 p. 1138-1145
    発行日: 1996/10/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    指標細菌の耐熱性パラメーターに基づき計算される殺菌効果と蒸気吹込み式殺菌機による実測値との間で差が生じる原因として,殺菌機の保持管における温度振動が,殺菌効果に与える影響について検討を行った.
    100l/hの実験機および2150l/hの実用機を用いて,保持管における温度振動が,殺菌効果に与える影響について検討を行い,次の知見を得た.
    1) 保持管内で蒸気の吹抜けを防ぐために,背圧弁によって制御し,保持管内圧を殺菌温度における蒸気圧より0.8kg/cmcm2以上高くする必要がある.
    2) 保持管温度の振動データーを基に殺菌効果を推算した結果,保持管温度の振動は殺菌効果を低下させる要因の一つであることが示唆された. 3) 商業的な目的で殺菌処理を行うためには,このタイプの殺菌機は,制御上の変動要因が多いため実際に耐熱性菌を液状食品に接種し,殺菌条件の妥当性を評価することが必要と考えられる.
  • 焼麩の製造に関する基礎的研究(第3報)
    村瀬 誠, 水谷 哲也, 杉本 勝之
    1996 年 43 巻 10 号 p. 1146-1151
    発行日: 1996/10/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    グルテンドウの形成と焼麩の比容積との関係について検討した.混練時間が短いとグルテンドウの形成が不完全であるために焼麩は膨化せず,一定時間以上の混練が必要であることが分かった.最大の比容積を与えるよりも長時間混練を継続するとグルテンドウは洩糸性を示すなど取り扱いが困難になったが,比容積はほとんど影響を受けなかった.効率や作業性などから適正な混練時間を守ることが重要である.地引機の仕事量の観点から適正混練時間をみると最大の仕事量を過ぎたあたりに相当し,これはファリノグラフで観察される弱化の過程に入った段階であった.グルテンドウの微細構造を比較すると,混練時間が短い場合には繊維状のグルテンが分散しており,均一になっていない.地引機で最大の比容積が得られる3~5分間混練すると繊維状のグルテンは消失し,小麦でん粉の直径に相当する大きさの穴が整然と並び,グルテンドウが均一になっていることが確認できた.ところが混練時間が10分になると穴が乱れ,いったん形成されたグルテンが破壊され始めたと推察された.この状態はファリノグラフを使用して得られたグルテンドウでも類似していた.混練時間が短いグルテンドウから得た膨化物は床面からの立ち上がりや表皮部分の膨化状態が異常で適正時間混練したグルテンドウから得られた膨化物に比べると不規則であった.なお,ファリノグラフにより得たグルテンドウには気泡が多く,従ってそれから得た膨化物は空洞が多かった.
  • 横井 健二, 中嶋 寛, 鈴木 チセ, 新国 佐幸
    1996 年 43 巻 10 号 p. 1152-1157
    発行日: 1996/10/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    発酵食品の製造,流通過程での品質劣化の原因となる産膜性酵母の増殖を抑制するため,耐塩性キラー酵母KYT-1株を分離し,生産するキラー因子の性質を調べ,以下の結果を得た.
    (1) KYT-1株はDebaryomyces hanseniiと同定された.
    (2) KYT-1株は,Hansenula anomala IFO 0569, D. hanseii IFO 0855と野生産膜性酵母D. hansenii S1に対してキラー活性を示した.
    (3) KYT-1株の培養液は限外ろ過,ブチルトヨパール650Sカラム,セファデックスG25カラムにより部分精製され,その比活性は約110倍に上昇した.
    (4) 部分精製キラー因子は15℃以下,pH 3-5.5で安定で,食塩濃度が増加するにつれ見かけの活性は強くなった.
    (5) 漬物の漬け液において,1×105/mlの産膜性酵母H. anomala IFO 0569, D. hansenii IFO 0855, D. hanseniiS1の増殖阻止に必要な部分精製キラー因子の量は,それぞれ1.8μg, 22μg, 7.4μgであった.
  • 後藤 隆子, 後藤 昌弘, 茶珍 和雄, 岩田 隆
    1996 年 43 巻 10 号 p. 1158-1162
    発行日: 1996/10/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    In this paper, we studied the mechanism of the increase of firmness in strawberry fruit treated with 100% CO2. Internal CO2 concentration in treated fruit increased immediately after the treatment and maintained the high level during treatment. But, it decreased rapidly after release of the treatment and reached the same level of untreated ones. This treatment rapidly decreased the ratio of water soluble pectin content against total pectin content and increased the ratio of hexametaphosphate soluble pectin content during and after the treatment, but did not affect the ratio of hydrochloric acid soluble pectin to total pectin in the fruit. Pectin methyl esterase activity was higher in treated fruit than the one in untreated fruit during and after the treatment. The ratio of Ca content of NaCl-soluble fraction (contained pectin substances) to total Ca content was higher in the treated fruit during and after treatment than the one in untreated fruit. These results suggest that the increase of firmness of strawberry fruit by 100% CO2 treatment may be due to the formation of intramolecular bridges in pectin, mediated by Ca2+
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