日本食品科学工学会誌
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納豆菌,Basillus subtilis (natto) KFP 419によるストラバイトの生成
村松 芳多子村岡 靖彦安井 明美鈴木 忠直木内 幹
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1997 年 44 巻 4 号 p. 285-289

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抄録

1. NBP液体培地(牛肉エキス1.0%,Phytonel.0%,食塩(1.5%,pH7.0)で納豆菌Bacillus subtilis (natto)KFP419を培養し,4℃に放置すると結晶が析出することを見出した.
2. 得られた結晶は,酸性域で容易に溶解する無色の結晶であった.その組成がマグネシウム,リン,アンモニアからなることからリン酸マグネシウムアンモニウムであり,かつ市販のストラバイト粉末を結晶化することにより同じ結晶が得られたので,ストラバイト(MgNH4PO4・6H2O)であると同定した.
3. ストラバイトは,NBP培地で特異的に析出されやすく,その培養条件は37℃・4日培養でよく析出された.そして培地に菌を接種しない限りpHを変えても,ストラバイトが析出されなかったので,微生物の代謝物であるアンモニアと培地中のマグネシウムとリン,特にマグネシウム量が影響していることが明らかになった.
4. 冷蔵しないとストラバイトの析出はなく,一度析出されると室温に放置しても溶解しなかった.

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