日本食品科学工学会誌
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瞬間除圧式殺菌装置の開発
早川 功堀内 啓史水永 晃博古川 壮一中島 太一藤尾 雄策
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1998 年 45 巻 2 号 p. 158-162

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抄録
高圧バルブをリンクモーション機構で固定し,除圧時間が0.0013~0.0l650s(500~100MPa)で作動する「瞬間除圧式殺菌装置」を開発した.
耐熱性胞子Bacillus stearothermophilus IFO l2550を指標菌に用い,装置特性を検討した結果,当該胞子は100~200MPaでも殺菌され,その機構は胞子外套の物理的破壊に起因していた.
耐熱性胞子の高圧殺菌は胞子外套を透過する水の浸透性(透過性)で律速された.水の浸透性は温度の影響を受け,75℃以上で促進され,殺菌効果の向上につながった.
B.steasothermophilus IFO l2550胞子は100MPaでもかなり破壊殺菌され,200MPaではほとんどが殺菌され,200MPa,20分処理におけるD値は75℃で17分,85℃で11分,95℃で6分であった.
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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