日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
Print ISSN : 1341-027X
ISSN-L : 1341-027X
45 巻, 2 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 田原 康玄, 植木 章三, 伊藤 美香, 渡部 智美, 菅 忠明, 平岡 芳信, 中島 滋, 土屋 隆英
    1998 年 45 巻 2 号 p. 93-99
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    新鮮なマアジ,メイタガレイ,シロギス,ハマグリ,アカガイ及びホタテガイの貝柱を材料とし,温風乾燥や遠赤外線加熱乾燥,マイクロ波減圧乾燥によるEPA・DHAの割合に及ぼす影響を検討した.乾燥により,試料の水分量は経時的に減少し,それに伴い単位重量当たりの脂質量が増加した.しかし,脂質中のEPAやDHAの割合は変化しなかったため,干物は生鮮品に比べて単位重量あたりのEPAやDHAが多く,これらを効率よく摂取できる機能性食品であると考えられた.
  • 宮村 英宏, 竹中 陽子, 竹中 哲夫
    1998 年 45 巻 2 号 p. 100-107
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    おから納豆中のFE活性の消長,発酵条件(おからの水分量,温度,接種菌数,納豆菌増殖用栄養成分の添加,おからの各種類)が酵素活性におよぼす影響ならびにおから納豆由来のFEの性状について検討した.
    (1) 同一発酵条件下で調製した納豆とおから納豆では,発酵過程におけるFE活性の産成量が異なり発酵25時間および30時間においては,プロテアーゼ活性,FE活性,いずれもおから納豆の方が納豆よりも2.5倍以上高かった.
    (2) 水分含量60%と80%のおから納豆のFE活性を比較すると,水分含量80%の方がFE活性は高かった.
    (3) 各温度(30,37および45℃)で25時間発酵させたおから納豆のFE活性は,550,1105及び525CU/gであり,室温37℃で発酵させたおから納豆のFE活性が最も高かった.
    (4) 接種菌数(103,104および105/50g乾燥重量)の異なるおから納豆では,接種菌数が多いものほど発酵15時間および25時間におけるFE活性は高かった.
    (5) おから発酵時に栄養成分(1%,10%豆乳および1%ブドウ糖)を添加したが,おから納豆中のFE活性に違いは少なかった.しかし,原料となるおからの種類(脱脂おから,30メッシュ以下に粉砕したおから,胚乳おからおよび皮おから)によってFE活性は異なり,それぞれ870,1,065,725および960CU/gであった.
    (6) 部分精製したおから納豆由来のFEは,SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法で分子量約3万で,pH7.0~10.0で安定で,60℃,10分間加熱しても約50%の活性を保持していた.また,合成基質D-Val-Leu-Lys-pNAを分解し,酵素活性はDFPによって強く阻害された.
  • 熊沢 賢二, 増田 秀樹, 西村 修, 平石 真也
    1998 年 45 巻 2 号 p. 108-113
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    コーヒー飲料の加熱処理による香気変化について検討し,以下の結果を得た.
    1) ガスクロマトグラムでは,furfuryl acetate以外に顕著な差は認められず,コーヒー飲料の加熱処理による香気変化に大きく関与する成分は見いだせなかった.
    2) FD-クロマトグラムで,加熱処理により減少する2-furfurylthiol, methional, 3-mercapto-3-methyl-butyl formate,β-damascenoneおよびskatoleの5成分を見いだした.これらの香調および閾値を考え合わせた結果,コーヒー飲料の加熱処理による香気変化に,これら5つの香気寄与成分の減少が大きく関与していると推定した.
    3) 上記香気寄与成分を含むモデル実験から,コーヒー飲料中の香気寄与成分は加熱処理により一般に,酸化,熱分解,あるいは加水分解反応が起こった結果,減少すると考えられる.
  • 井沢 登, 和泉 徹治, 林 清
    1998 年 45 巻 2 号 p. 114-121
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    ゴーダチーズの熟成促進効果をAeromonas caviaeT-64が生産するアミノペプチダーゼによって検討した.
    (1) ニュートラーゼを直接原料乳に添加して製造したカードは,著しく軟弱なテクスチャーを呈した.これに対し,リポソームに封入したニュートラーゼを添加したカードは,対照チーズと差が認められなかったことから,ニュートラーゼ添加の前処理としてリボソーム封入を行った.
    (2) アミノペプチダーゼとニュートラーゼを添加したチーズ(NA)のフレーバーは,熟成8週間後に対照チーズ(C)と比較して有意に強くなった(p<0.05).さらに,NAの風味は熟成12週間後にはニュートラーゼ単独で処理したチーズ(N)よりも有意に強くなったことから(p<0.05),アミノペプチターゼとニュートラーゼによる相乗効果が認められた.酵素処理したチーズのTCA可溶性窒素含量およびSSA可溶性窒素含量は対照チーズよりも高いことから,酵素の作用によって蛋白質の分解が促進され,ペプチドおよびアミノ酸が増加することを確認した.
    (3) キャピラリー電気泳動法により,各チーズ中のカゼイン含量を分析したところ,ニュートラーゼの作用でパラ-K-カゼイン(CN),βA1-CNおよびβA2-CNの分解が促進され,熟成12週間後にはこれらのカゼインのそれぞれ,55,85,70%が分解消失することが判明した.
    (4) アミノペプチダーゼとニュートラーゼを併用したチーズのSSA可溶性窒素含量は,ニュートラーゼ単独で処理したチーズのそれよりも高いことから,添加したアミノペプチダーゼの作用で遊離アミノ酸含量が増加したことが示された.しかし,これらの酵素添加チーズの遊離アミノ酸組成には,酵素無添加の対照チーズを含めても相違は認められなかった.
  • 島田 和子, 野村 寛美, 原 由美, 藤本 房江, 喜多村 啓介
    1998 年 45 巻 2 号 p. 122-128
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    豆腐の食味に及ぼすLOXの影響について検討するために,普通大豆とLOX欠失大豆を用いて調製した豆腐の各種成分含量と官能評価との関係について調べた.普通大豆としてスズユタカ,LOX欠失大豆として各々スズユタカを反復親として育成されたゆめゆたか(2,3欠)といちひめ(全欠)を使用した.(1) スズユタカの豆腐はいちひめ(全欠),ゆめゆたか(2,3欠)の豆腐と比べて有意に甘味が感じられた.こく味の程度はスズユタカ,いちひめ(全欠),ゆめゆたか(2,3欠)の順で感じられ,スズユタカが最もこく味があるとパネルにより判断された.不快味程度は3種の豆腐間で違いは認められなかった.(2) 豆腐中の水分含量,タンパク質含量,総脂質含量は各豆腐間において大きな差は認められなかった.(3) 甘味を呈する遊離糖のスクロース,スタキオース,ラフィノース,グルコース含量は各豆腐間において差がなかった.(4) 不快味成分であるイソフラボン組成と各含量は各豆腐間で大きな差はなかった.(5) カルボニル化合物とヘキサナールは,普通大豆スズユタカの豆腐においてLOX欠失大豆の豆腐よりも多く含まれていた.上記の他成分量に豆腐間の差はなかったことから,官能評価で認められた豆腐のこく味を示す成分の一つはLOXによる脂質酸化生成物であると推察された.さらに,脂質酸化生成物が豆腐の甘味を増強する可能性も示唆された.
  • 田中 常雄, 田中 彰
    1998 年 45 巻 2 号 p. 129-133
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    ハスカップの成分分析を行った.その特徴は以下のとおりである.
    (1) 他の果実類に比べて,カルシウム,鉄,ビタミンC,α-トコフェロール及び食物繊維の含量が多かった.
    (2) ビタミンCは凍結貯蔵中は安定で,少なくとも1年間は減少することはなかった.しかし,収穫年によるビタミンC含量に変動がみられた.
    (3) 有機酸の主成分はクエン酸で,高い含量を示した.
    (4) 糖度は有機酸に比べて低く,糖酸比も低かった.
    (5) 千歳8号は他の系統(品種)に比べて,水分,有機酸及び食物繊維が少なく,糖度は高かった.
    (6) 乾物換算値による成分間の相関を求め,灰分とカリウムおよびマグネシウム間の正相関などが認められた.
  • 沢田 正徳, 山田 哲也
    1998 年 45 巻 2 号 p. 134-143
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    レモン油の産地間・搾油方法の違いによる炭化水素画分,含酸素化合物画分の比較検討を行った.
    (1) 炭化水素画分では,大きな差が認められなかった.
    (2) 含酸素化合物画分では,シシリーの油はカリフォルニアに比べてneral, geranialが多く,これがレモン感が強い理由と考えられる.
    (3) シシリーの油は,カリフォルニアに比べて1, 8-cineoleが多く,フレッシュ感が強い理由と考えられる.
    (4) S-Pが最もフレッシュでS-S, S-Iの順でフレッシュ感が減少し,ジューシィー感が増した.C-Iはジューシィー感が強かった.
    (5) 含酸素化合物画分のフラクションでは,レモン油の種類によって差が認められた.
  • 西堀 すき江, 並木 和子
    1998 年 45 巻 2 号 p. 144-148
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    野菜ジュースのO2-消去能を2種類の測定法(NBT法・ルミネッセンス法)で比較した.
    (1) NBT法において実験に供した20種類の生ジュースはいずれもO2-消去能を有していた.特にブロッコリー・キャベツ・ピーマン・ニラ等は強い活性を示した.しかし,ルミネッセンス法ではニンジンの生ジュースに活性は認められなかった.
    (2) 加熱処理によりキュウリ・カボチャ・レタスの活性が最も低下した.1O2消去能が高いと報告されているカロテノイド系の色素を含むトマト・ニンジンも,加熱により活性が低下した.特に,加熱後のニンジンはほとんどO2-消去能が認められなかった.タマネギ・モヤシ等のフラボノイド系野菜も加熱により活性が低下した.
    (3) クロロフィル系野菜は品種によって幅があるが,比較的加熱後もO2-消去能が持続した.クロロフィル類縁体の存在比率は,生・加熱に関わりなくクロロフィルaが圧倒的に高く,加熱によってクロロフィルaは減少するものの,1/2~2/3量残存した.逆にフェオフィチンaは1.5~2倍に増加した.
    一般的に,野菜の色素の中ではカロテンの活性酸素消去能が高いと報告されているが,実際に野菜ジュースにおいて,特に温野菜においてはクロロフィル系の色素を含む野菜に,活性酸素消去能の活性が持続することがわかった.
  • 寺沢 なお子, 出村 瑞恵, 戸田 桃子
    1998 年 45 巻 2 号 p. 149-154
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    かぶらずしの微生物組成と糖,有機酸及び遊離アミノ酸組成,官能検査における好ましさ等について検討した.
    (1) 材料由来の乳酸菌は乳酸球菌が主であったが,乳酸菌総数は検体間の差が大きく,103~107/gであった.また発酵に伴い乳酸菌が増加し,グラム陰性菌が減少した.
    (2) 糖組成ではグルコースが最も多く,総糖量の58.3~88.4%であった.また市販かぶらずしではスクロースが検出されたが,自家製では発酵と共に消失した.有機酸組成では酢酸(総有機酸量の45.2~49.0%)とギ酸が多く,乳酸も発酵と共に約10倍に増加した.総アミノ酸量は231~535mg/100gであり,γ-アミノ酪酸,アラニン,グルタミン酸,ヒスチジン,ロイシン等が多かった.また発酵経過に伴い総アミノ酸量は若干増加した.
    (3) 官能検査においては総合評価で旨味が強くかつ甘味,酸味が強すぎないものが好まれた.
  • 松永 孝光, 佐藤 忠之, 辻 公美
    1998 年 45 巻 2 号 p. 155-157
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) Bgl IIのHLA-DRB1,Pvu IIのHLA-DQB1で黒毛和種に特徴的なバンドが多く見られたが,西洋種にはなかった.
    (2) Stu IのHLA-DQB1では西洋種に特徴的なバンドが多く見られたが,黒毛和種にはそれらのバンドは認められなかった.
  • 早川 功, 堀内 啓史, 水永 晃博, 古川 壮一, 中島 太一, 藤尾 雄策
    1998 年 45 巻 2 号 p. 158-162
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    高圧バルブをリンクモーション機構で固定し,除圧時間が0.0013~0.0l650s(500~100MPa)で作動する「瞬間除圧式殺菌装置」を開発した.
    耐熱性胞子Bacillus stearothermophilus IFO l2550を指標菌に用い,装置特性を検討した結果,当該胞子は100~200MPaでも殺菌され,その機構は胞子外套の物理的破壊に起因していた.
    耐熱性胞子の高圧殺菌は胞子外套を透過する水の浸透性(透過性)で律速された.水の浸透性は温度の影響を受け,75℃以上で促進され,殺菌効果の向上につながった.
    B.steasothermophilus IFO l2550胞子は100MPaでもかなり破壊殺菌され,200MPaではほとんどが殺菌され,200MPa,20分処理におけるD値は75℃で17分,85℃で11分,95℃で6分であった.
  • 前田 久夫
    1998 年 45 巻 2 号 p. 163-170
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 加藤 昭夫, 松冨 直利
    1998 年 45 巻 2 号 p. 171-175
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 横塚 弘毅
    1998 年 45 巻 2 号 p. 176
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 1998 年 45 巻 2 号 p. N33a
    発行日: 1998年
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 1998 年 45 巻 2 号 p. N33b
    発行日: 1998年
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
feedback
Top