日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
Print ISSN : 1341-027X
ISSN-L : 1341-027X
マッシュルーム由来のチロシナーゼによるチロシンの水酸化反応機構
竹内 若子高橋 平八郎瓜谷 郁三
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 45 巻 7 号 p. 415-419

詳細
抄録

マッシュルームチロシナーゼによるチロシンのドーパへの水酸化反応において,分子内のアミノ基が初期の水酸化反応における電子供与体として作用するものと先に推定したが,このことは反応液中にアンモニアの生成が認められ,またアミノ基を保護したN-アセチルL-チロシンやp-ヒドロキシフェニルピルビン酸を基質とした場合に反応が進行しないことから支持された.一方,LC-MSにより各種の生成物が認められたが,そのうちの主要反応生成物の一つが5,6-ジヒドロキシィンドールと同定された.それをもとに植物におけるメラニン生成機構での新たなもう一つの経路の存在を提示した.

著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top