日本食品科学工学会誌
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亜硝酸塩を添加しない豚肉塩漬液中の乳酸菌
河原 芳和中村 真樹子阪上 泉
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1999 年 46 巻 12 号 p. 827-832

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抄録
「無添加」ハムの品質の安定性向上を目的として,亜硝酸塩を添加しない塩漬液に2~3週間塩漬したハムを製造し,塩漬液と製品の理化学的および微生物的検査を行ったところ,次のような知見が得られた.
(1) 亜硝酸塩無添加の塩漬液は塩漬前半は低温菌,後半は乳酸菌を中心に亜硝酸塩添加塩漬液に比べ菌数が高く,その影響を受けやすい.
(2) 塩漬液の最終pHと製品の歩留まりの間に相関があり,塩漬液pHは製品の品質を予測する重要な指標となる.
(3) Leuconostocを塩漬液に加えるとpHと製品の歩留まりが低下するが,Lactobacillus添加の影響は小さい.
(4) 亜硝酸塩無添加塩漬液にはB.thermosphacta,グラム陽性球菌,グラム陰性桿菌,乳酸球菌,乳酸桿菌,など多様な菌種が存在するが,乳酸菌を添加すると加えた菌属と酵母を除き抑制される.
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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