豆乳を原料として醗酵豆乳を製造し,ラットへの摂取試験を行い,高脂肪食,豆乳及び醗酵豆乳を摂取させた時と比較し,以下の結果を得た.
(1) 醗酵豆乳を摂取させる事で血中の総コレステロール,トリグリセリド,リン脂質いずれも高脂肪食群に比較して有意(p<0.01)に低下した.
(2) 醗酵豆乳を摂取させる事で糞便中に排泄されるコレステロール量が有意(p<0.01)に増加した.
(3) 醗酵豆乳を摂取させる事で糞便含水率を有意(p<0.05)に高め,便性を改善する効果を有した.
(4) 醗酵豆乳を摂取させる事でBifidobacterium及びBacteroidesやEubacteriumが増加し,Clostridium perfringensが有意(p<0.05)に減少した.
(5) 醗酵豆乳を摂取させる事で高脂肪食群に比べァンモニア,インドール,共に減少傾向が認められた.
以上の事から,醗酵豆乳を摂取する事で腸内環境及び脂質代謝を改善する事がわかった.
本研究にあたり腸内細菌叢の評価等に関しご指導頂いた理化学研究所微生物系統保存施設の辨野義己博士に感謝致します.