日本食品科学工学会誌
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ヘッドスペースガス分析法を用いた産地別山椒果実の香気分析
飯島 陽子諸井 千春萩原 修久保田 紀久枝
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2002 年 49 巻 5 号 p. 320-326

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抄録
粉山椒として使用される山椒成熟乾燥果実の果皮について日本国産4種,韓国産,中国産山椒の試料を用いて香気成分を発生ガス濃縮導入装置によるヘッドスペースガス分析法により調べ,比較した.モノテルペノイド主体の炭化水素類22種,アルコール7種,アルデヒド6種,酸・エステル3種を同定または推定した.日本国産ではgeraniol関連成分の多い種,geraniolが少なくcitronellol関連成分の香気が主となる種に大別された.韓国産では,特に柑橘系のにおいをもつcitoronellalが多く含まれていた.一方,中国産山椒はかなり組成が異なり,他では少ないα-terpineneなどの炭化水素が多く検出され,citronellal, isopulegol, citronellal, geranyl acetateなどは含まれず,linaloolやterpinen-4-olが主成分であった.
山椒未熟果実(青山椒)と成熟果実の香気成分を比較した結果,未熟果実では,d-limoneneなど炭化水素類が全ピーク面積の90%以上を占め,linalool, geraniol, geranyl acetateなどの含酸素テルペン類は,山椒の成熟中に生成されることが示唆された.
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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