日本食品科学工学会誌
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酸性条件における牛腱膜コラーゲンの溶解に及ぼす粗アクチニダインと加熱の併用効果
和田 正汎山口 静子惟村 直仁長谷川 忠男
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2003 年 50 巻 11 号 p. 506-510

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抄録

(1) 牛腱膜は85°Cの加熱水に約1%溶解した.加熱水に溶解しなかった腱膜中にコラーゲンサブユニット鎖のβ成分およびα成分は認められなかった.
(2) 調製腱膜を85°Cの加熱水に60分間浸した腱膜を植物性チオール系酵素を用いて酸性条件下で70°C,60分間反応処理した.溶解(回収率)は,粗アクチニダイン,34.7%,パパイン,11.7%,ブロメライン,6.6%,フィシン,2.8%で統計的有意差が認められ(p<0.01),とくに,アクチニダインの効果が顕著であった.
(3) 腱膜は,加熱水および酢酸溶液にほとんど溶解しなかった.しかし,加熱した腱膜に酢酸溶液と粗アクチニダインを加え反応処理すると腱膜の不溶性コラーゲンは加水分解しコラーゲンサブユニット鎖のβ成分およびα成分を生成した.

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