日本食品科学工学会誌
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粳米粉生地の力学特性に及ぼすカルシウム剤およびマグネシウム剤の影響
森高 初恵石原 三妃松本 孝飯野 久和木村 修一
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2003 年 50 巻 11 号 p. 523-529

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抄録

粳米粉を用いたトルティーヤ様食品の主に力学特性に及ぼすカルシム剤およびマグネシウム剤添加の影響について検討した結果,水酸化カルシウム添加粳米粉では未加熱試料の強度は増加し,水浸漬による影響が4種の添加剤の中で最も小さかった.従って,水分の多い具材をのせて食べる場合には,生地の強度低下の割合は小さく,食べやすさは向上すると考えられる.一方,炭酸カルシウムでは,本実験内では粳米粉生地の強度増加に寄与しなかった.硫酸マグネシウム添加未加熱粳米粉は,濃度が高くなると取り扱い難くなったが,加熱により生地の強度は高まり食する際には破けにくく,また吸水率は粳米粉単独試料と有意差がなく(p>0.05),水分の吸収は低下しない塩であることが示された.塩化マグネシウム添加では,加熱試料の強度も濃度が増すと増加して破れにくくなり,水浸漬においては吸水率が低下した.

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