日本食品科学工学会誌
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イワシ筋肉アルカリプロテアーゼ加水分解物のスーパーオキシドアニオン消去活性
森山 洋憲片山 泰幸受田 浩之沢村 正義筬島 克裕松井 利郎松本 清
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2003 年 50 巻 9 号 p. 392-398

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抄録

イワシすり身のアルカリプロテアーゼ分解物(A-1)を分離および精製することにより,高いSOSAを有する画分の分離を行った.WST-1法によりA-1のSOSAを測定した結果,そのIC50は9.21mg powder/mlであった.A-1をODSオープンカラムによるエタノールのステップワイズグラジエントで溶出し,F1∼F6に分離した.高活性画分F-4をSP-Sephadex C-25(H+)によるギ酸アンモニウムのステップワイズグラジエントで溶出し,1∼3/SPを得た.1/SPをSep-Pak Plus C18 Cartridgesにより極性画分(A/SE)と非極性画分(B/SE)に分画した.B/SE(IC50=7.14mg powder/ml;WST-1法)よりも高い活性を示したA/SE(IC50=2.12mg powder/ml;WST-1法)を水抽出物(A/SE W)と20%アセトニトリル抽出物(A/SE 20AN)に分け,SOSAを測定した.A/SE Wは0.51mg powder/mlの活性を示し,A-1溶液1lから32.7mgの収率で得られた.
以上の操作で得た各画分のアミノ酸分析を行った.活性画分中のLysとHisの組成比は特に低かった.各画分の活性が増大するに従い,Phe,Met,Tyrの組成比が増大する傾向が確認された.

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