抄録
現代はストレスの時代と言われている。化学的, 生物的, 物理的ならびに社会, 人間生活的な多種多様なストレスにわれわれは常にさらされている。一方, ストレスも両刃の剣であり, 生体にとって悪いストレス (Distress) に加え, 良いストレス (Eustress) もある。これらストレスから自らを守り, あるいはそれを利用して, より健康で質の高い生活を送るためにも, ストレスに対する生体の応答メカニズムを科学的に正しく解明, 理解すること, ストレスの負荷を検出, 測定すること, そしてそれに対処する方策を見出すことが重要である。オレオサイエンスの役割も含めて, ストレスの生命科学は, これからの重要な研究課題の一つとなるであろう。