オレオサイエンス
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総合論文
微生物による油脂生産
中原 東郎
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2001 年 1 巻 8 号 p. 841-849,823

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抄録
微生物により油脂を生産する試みは20世紀当初よりなされてきたが, 1985年以降ようやく実用化の日の目を見たのはγ-リノレン酸とその後のアラキドン酸, ドコサヘキサエン酸であった。これらはすべて必須脂肪酸である高度不飽和脂肪酸であり, 高度不飽和脂肪酸はシングルセルオイル研究の中心課題である。微生物に含まれる高度不飽和脂肪酸は種特異的であり, 化学分類に適用できる可能性がある。ここでは酵母, 糸状菌, ラビリンチュラ類における, 全脂質と高度不飽和脂肪酸生産 (特にγ-リノレン酸, アラキドン酸, ドコサヘキサエン酸を中心に) に及ぼす各種培養因子を概観した。そこでは回分と連続という培養様式の違いと, 実用化に至る高い生産性をどのように実現したかを明らかにした。
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© 2001 公益社団法人 日本油化学会
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