オレオサイエンス
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特集総説論文
人工細胞膜のデザインとハイブリッドナノマテリアルとしての機能
菊池 純一田原 圭志朗
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2014 年 14 巻 7 号 p. 283-289

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抄録

脂質分子の生体系における最も重要な役割は生体膜を形成することであり,その生体膜は物質変換やエネルギー変換,情報伝達などの生体分子システムを駆動させるための舞台を提供する。近年の生命科学の進歩によって,人工生命を創成しようとする挑戦的な研究分野が注目されている。本稿では,人工細胞膜を如何にしてデザインするか,また人工細胞膜にどのように機能を賦与できるかについて述べている。人工細胞膜を形成する脂質の分子設計指針や,人工細胞膜の静的ならびに動的な構造制御の手法について解説し,これらの脂質分子に様々な機能性分子ユニットをハイブリッド化することでナノマテリアルへ誘導できる例を示している。また,人工細胞膜のナノマテリアルとしての特性として,バイオメディカルデバイスや分子通信デバイスへの展開に焦点をあてて議論している。

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© 2014 公益社団法人 日本油化学会
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