2015 年 15 巻 8 号 p. 339-347
メタボリックシンドロームによる心血管疾患を予防するため,最も重要なことは内臓脂肪の減少であるが,生活改善を継続させるためには 「保健指導」 が重要である。指導内容としては,リスク因子と血管障害の関係,臓器障害に至る過程などを,対象者に具体的にイメージしてもらい,放置してはいけないことを実感してもらうことである。
尼崎市では保健指導効果を高める資料として 「健診結果チャート」 を使用している。3,174人の市職員を対象にした保健指導の結果では,メタボリックシンドロームの該当者割合が,男性で,2003年20.8%,2004年17.2%,2005年14.4%(p<0.001),女性では,2003年3.0%,2004年2.2%,2005年1.9%(p=0.359)といずれも有意に年々減少した。また,保健指導による介入を始めた2001年から取組み期間中,例年1~3人出現していた虚血性心疾患による現職死亡が,出現しなかった。メタボリックシンドロームの改善に保健指導は有効と考えられる。一方,特定健診での測定結果から算出したBMI 18.5~24.9の非肥満に該当する人のうち,男性で53.7%,女性で23.1%が,生体インピーダンスによる内臓脂肪計で測定した内臓脂肪面積が100 cm2を超える結果であった。
したがって,保健指導で心血管疾患をより多く予防するためには,健診内容,健診結果の評価が極めて重要である。