オレオサイエンス
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特集総説論文
J-PARC/MLF の中性子小角・広角散乱装置「大観」を利用したコロイド構造解析
岩瀬 裕希
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2016 年 16 巻 10 号 p. 487-492

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抄録

茨城県東海村にある大強度陽子加速器施設(J-PARC)の物質・生命科学実験施設(MLF)に設置されている中性子小角・広角散乱装置「大観(TAIKAN)」について紹介する。大観では白色中性子線(波長範囲:0.5~7.8 Å)を利用し,大面積の検出器で散乱中性子を検出することで,一度に広いQ領域(Q=5×10-3~18Å-1)を測定することができる。また,さらに一桁小さいQ領域をカバーできるように,集光素子および超小角検出器の整備を進めており,最終的には観測可能なQQmin)は5×10-4Å-1に到達する。装置の性能向上と並行して,レオメータなどの試料環境機器の整備も進めている。さらに本稿では,大観における研究例として,SANSとSAXSの相補利用による球状ミセルの解析,およびRheo-SANSによる紐状ミセルの解析について紹介する。

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© 2016 公益社団法人 日本油化学会
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