2017 年 17 巻 12 号 p. 615-622
長鎖アルキル鎖をもつポリ(アリールエーテル)デンドロン誘導体の単成分系と,ピレン誘導体とナフタレンジイミド誘導体の二成分系のゲル化挙動と溶媒効果について紹介する。これらゲル化剤のゲル化挙動と溶媒効果は,Hansen溶解度パラメータ(HSP)により解釈できた。HSPのTeasプロットから,ゲル化に用いた溶媒は,不溶・沈殿,ゲル化,溶解の各領域に区分された。このとき,ゲル化領域は,溶解領域と沈殿・不溶領域の間に存在することが示された。また,HSPの極性項(δa)とGelation Numbers(GNs)との相関関係から,ゲル形成の主な推進力は,極性溶媒では適度な疎溶媒効果が,非極性溶媒中では水素結合やCT相互作用などのゲル化剤分子間相互作用であることが示された。