2017 年 17 巻 9 号 p. 413-419
小さな気泡には興味深い特徴があり,応用面での展開も期待できる。マイクロバブルは水処理や半導体の洗浄,ナノバブルは農業や水産業などへの展開が可能である。直径が50 μmに満たないマイクロバブルは水中で縮小して消滅する。その時に活性種(フリーラジカル)を発生する。これを利用することで固体表面の洗浄が可能である。またナノバブルはマイクロバブルの残存物と考えられており,電解質イオンの殻で被われることにより安定化したものである。切削現場ではクーラント液として利用されており,副次的な効果として機械類の洗浄が確認されている。メカニズムの解明により洗浄技術としての発展が期待される。