オレオサイエンス
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特集総説論文
ポリグリセリン脂肪酸エステルの可溶化・乳化特性
樋口 智則
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2019 年 19 巻 10 号 p. 405-410

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抄録

界面活性剤を用いた可溶化・乳化は様々な分野で用いられているが,目的とする可溶化物や乳化物を得る為には,使用する界面活性剤の種類と添加量の選択や調製方法が重要となる。本稿では界面活性剤として食品や化粧品用途で幅広く利用されている非イオン界面活性剤「ポリグリセリン脂肪酸エステル (PGFE)」の可溶化・乳化特性について解説した。

PGFEは分子構造の設計自由度が高く,広範囲なHLBの分子設計が可能である。また,水和力が強い為に温度や塩,多価アルコール等の共存物質の影響を受けにくい。さらに,水中でも油中でも臨界ミセル濃度が低く疎媒性を有する界面活性剤であるという事が知れられており,興味深い特性を持つ。このPGFEの構造と特徴を活かした応用例について最近の研究動向を交えつつ述べた。

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© 2019 公益社団法人 日本油化学会
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