2019 年 19 巻 10 号 p. 411-416
日本国内で見ると成熟期を超えて縮小傾向にある繊維市場だが,世界的には化学繊維を中心として成長を続けており,市場の動きを見ても今後もしばらくは継続して成長することが見込まれる。化学繊維製造の際には,加工性及び機能性を持たせるために繊維用油剤を付与することが必要不可欠であるため,これに付随して繊維用油剤の活躍の場も拡大していくものと推測される。繊維用油剤によって付与される特性は,加工方法や最終用途に応じて極めて多岐にわたる。本稿では,化学繊維の中でも短繊維不織布用油剤について,各種加工性や機能性の具体例を交えながら紹介する。