オレオサイエンス
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特集総説論文
農業副産物を原料とするナノセルロースの食品用途への可能性
熊谷 明夫齋藤 靖子遠藤 貴士
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2021 年 21 巻 11 号 p. 455-462

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抄録

植物由来のナノ素材であるナノセルロースは,ナノ繊維の特徴にセルロースの特性が反映された優れた材料特性を示すため,環境負荷の小さい機能性素材として注目されている。しかしながら,ナノセルロースの実用化を推し進めていく上では,ナノセルロースならではの特徴を活かした用途を見出すことが欠かせない。本稿では,ナノセルロースに含まれるセルロース以外の成分に着目し,木質を構成するヘミセルロースやリグニンの局在と,これら成分がもたらす効果について紹介すると共に,木質とは異なる多様な成分で構成される農業副産物から調製したナノセルロースの特徴と,農業副産物由来であることを活かしたナノセルロースの食品用途への可能性について紹介する。

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© 2021 公益社団法人 日本油化学会
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