2023 年 23 巻 5 号 p. 249-257
両親媒性高分子は,その疎水部と細胞膜の脂質二重層との弱い疎水性相互作用により,細胞表面へ固定される。この特性を利用して,細胞表面に官能基や機能性分子を導入できるため,細胞表面を改質できる。特に,ポリエチレングリコール結合脂質(PEG脂質)に,短鎖DNA(ssDNA)や機能性ペプチドを結合させることで,細胞操作が可能になり,細胞同士の接着や細胞-基板間の接着を実現できる。細胞同士を接着できることで,新しいバイオ人工膵臓の作成や細胞融合を実現できる可能性が出てきた。