オレオサイエンス
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特集総説論文
QCM-D法を活用した吸着解析:洗浄分野とトライボロジー分野への展開
酒井 健一
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2025 年 25 巻 3 号 p. 87-94

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抄録

固体と液体の界面に対する吸着現象の解明は,学術的のみならず産業的にも極めて重要な課題である。この課題にアプローチできる機器分析法の一つに,エネルギー散逸値の測定機能を付与した水晶振動子マイクロバランス(quartz crystal microbalance with dissipation monitoring, QCM-D)法がある。QCM-D法では,吸着物質の質量(振動数の変化量)や吸着膜の粘弾性(エネルギー散逸値の変化量)に関する情報を高感度かつ優れた時間分解能で獲得できる。さらに,各種材料で表面修飾したセンサを用いて評価できること,液相に着色や濁りのあるサンプルでも評価できることなど,適切なモデル系を構築すればQCM-D法は幅広い応用分野に活用可能である。本稿では,QCM-D法の基本原理と測定上の留意点を解説する。また,QCM-D法を洗浄分野およびトライボロジー分野に活用した検討事例も紹介する。

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