オレオサイエンス
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総合論文
マイクロエマルション系の構造の温度・圧力依存性
瀬戸 秀紀長尾 道弘川端 庸平
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2003 年 3 巻 10 号 p. 511-522,508

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抄録
両親媒性物質を水や油と混合することによって得られるミセルやマイクロエマルションの系は, 「ソフトマター物理学」の対象の一つとして注目を集めている。我々はこの観点から, イオン性界面活性剤AOTと水, デカンからなる系について, 中性子小角散乱, X線小角散乱, 中性子スピンエコーを用いてセミミクロ構造の形成要因, 特に温度変化と圧力変化の違いについて, モデルと対応させながら詳細に検討した。これにより, 温度効果は親水基側に顕著であるのに対して圧力効果は疎水基問の相互作用を変化させること, それが膜の曲率剛性率の変化に関係していること, その一方で温度上昇と圧力上昇により同様のセミミクロ構造の変化が見られることを示した。
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© 2003 公益社団法人 日本油化学会
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