オレオサイエンス
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総合論文
ペプチドアミロイド繊維状構造体の構築と制御
三原 久和
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2003 年 3 巻 5 号 p. 233-239,232

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抄録

ポリペプチドなどの生体高分子の自己組織化構造体は,天然の生物システムの重要な構成要素である。その中でペプチドアミロイドは,タンパク質のミスフォールド体が形成する繊維状の分子集合体である。従って,アミロイド繊維は生体分子としては望ましくない構造体であるが,一方では,無数のβストランドニ次構造が規則正しく組織化されてできた組織化構造体であるととらえることができる。このような観点から,アミロイド繊維は生化学的研究のみならず,工学的材料研究の面からも注目を集めている。
本論文では,ペプチド,タンパク質の立体的構造特徴を述べ,アミロイド様繊維を形成する人工ペプチドの設計とそれらを利用したアミロイド繊維の阻害剤開発や多種類のペプチドが集合化したβペプチドアレイの構築について報告する。

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© 2003 公益社団法人 日本油化学会
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