オレオサイエンス
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総合論文
医薬品におけるリピッドスフェアーの物性制御とその応用
園田 智之
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2005 年 5 巻 1 号 p. 21-28

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抄録

今日, ゲノム創薬, コンビナトリーケミストリーといった創薬技術の進歩をうけて, 加速度的に新薬化合物の合成及びスクリーニングが行われている。しかしながら, 探索される化合物の特性として難水溶性を示すものが増加する傾向にあり, このような化合物を製剤として実用化する場合は, さまざまな製剤化技術を駆使する必要がある。
製剤化技術の一つであるリピッドスフェアーは, バイオアベイラビリティの改善を主目的に, コントロールドリリース, ターゲッティングといった機能を持った製剤としての応用について研究が行われている。これらの新規製剤の開発においては, 製剤としての安定性, 包括される化合物の量, ハンドリング性といった種々の問題があり, これらを改良することで, より良い新規製剤として実用化できると考えられる。
本論文では, まず難水溶性化合物の可溶化・製剤化を目的に研究がすすめられているリピッドスフェアーについて, その特徴や最近の研究事例の説明を行い, さらに我々が具体的に製剤化を目的として行っている最近の研究事例を (1) 安定性, (2) 物性制御とコントロールドリリース, (3) 包含率に着目して紹介する。

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© 2005 公益社団法人 日本油化学会
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