抄録
印刷における環境対応は, 単なる危険有害物を排除すればよいという考え方から, 大気汚染, 環境汚染につながるおそれのある全てのものを対象とした地球環境保全型に考え方が変わってきている。このような背景の下, 環境対応インキとして, アロマフリーインキ, 大豆油インキ, non VOCインキ, ハイブリッドインキが開発されてきているo開発には環境対応と同時に従来と同等の印刷効果, 印刷適性を付与する必要があり, 構成素材の新たな開発や改良が必要となる。具体的にはアロマフリー溶剤の使用は溶解性保持のための樹脂の変性, 大豆油の使用は乾燥性維持のための組成変更とローラー収縮抑制のための極性素材の添加等が検討されている。現在最新の環境対応インキとしてnon VOCインキやハイブリッドインキが開発されているが, レベルアップのための更なる検討が期待される。