オレオサイエンス
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9 巻, 12 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
学会賞受賞論文
  • 大西 正男
    2009 年 9 巻 12 号 p. 543-551
    発行日: 2009/12/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    植物およびカビ・キノコなどの真菌にはグリセリド系, セラミド系およびステロール系の3系列の脂質成分が存在する。筆者は, とくにスフィンゴ脂質を取り上げ, 動物スフィンゴ脂質とは異なる構造上の特徴と物性を明らかにし, その分子種多様性と組成変動からスフィンゴ脂質と植物の低温適応との関連性を示唆した。また, 合成系と代謝関連遺伝子を検討し, スフィンゴ脂質の生理的機能について幾つかの新しい知見を得た。さらに, 動物スフィンゴ脂質と同様に, 植物や真菌由来のグルコシルセラミドにも大腸ガン予防効果などの食品機能性が期待できることを明らかにするとともに, スフィンゴ脂質を安全な機能性食品素材として活用するための技術的基盤を提示した。
  • 荒牧 賢治
    2009 年 9 巻 12 号 p. 553-559
    発行日: 2009/12/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    界面活性剤分子集合体とそれらを形成する水溶液系および水-油系の相挙動について, とくに混合界面活性剤系と塩やアルコールなどの添加物が入った複雑な系における個別因子および複合効果について研究を行ってきた。本論文においてはそれらの研究の中から3つのトピックについて述べている。最初のトピックは水溶性アルコールが及ぼす非イオン界面活性剤ミセルの形成への影響についてであり, グリセリンがミセル成長を促し, プロピレングリコールがミセルを崩壊させることについて述べた。2番目のトピックは小角X線散乱測定と分子集合体の構造モデルを用いて, パリセード層中へ可溶化された油の量を定量化する試みについて述べた。最後のトピックは2種の界面活性剤混合系において, 一方の界面活性剤が他方に比べて分子量に大きく差があるときに, 2種のラメラ液晶およびミセルが共存する現象に関する研究である。
  • 久保 勘二
    2009 年 9 巻 12 号 p. 561-569
    発行日: 2009/12/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    トロポノイドの構造的な特徴を活かした機能物質として, トロポノイドジチオクラウンエーテル, トロポノイドアザマクロサイクル, トロポノイド液晶並びにオイルゲル化剤を合成した。トロポノイドジチオクラウンエーテルは高い水銀 (II) イオン親和性を示し, 液膜輸送における優れた水銀 (II) イオンキャリアとして利用できた。トロポノイドアザマクロサイクルは特定のゲストカチオン存在下で, その色調が変化することから, アミノトロポン構造はクロモフォアとして利用できることを見出した。これらトロポノイドを基盤にした機能物質 (水銀イオン液膜輸送キャリア, クロモイオノフォア, 液晶, オイルゲル化剤) の機能や機能発現機構を解明した。
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