抄録
日本各地では少子高齢化が急速に進んでおり、地方都市では住民流出を防ぎつつ、移住者を増やす試みが行われている。本稿では近年、人口の社会増を続けている大分県豊後高田市の移住・定住支援に着目をして、その成功理由を探ることにした。これを明らかにするため、同市の産業政策、移住・定住・就労・子育てに関する支援策、民間団体による支援、HPやSNSでの情報発信、担当する市役所の組織対応の側面から分析を試みた。その結果、観光や移住ランキングなどの情報を媒体特性に合わせて発信することで同市を訪問する人々を増やし、子育て世代をメインターゲットとした移住・定住、就労、子育て、教育に関わる支援を地域連携で実施していることが分かった。また移住前から移住後に至る相談窓口のワンストップ化によって緊密な人間関係が形成され、これが移住・定住を後押ししていることが示唆された。