抄録
JRの地方ローカル線に関する提言が2022年7月に国交省の検討会から発表され、JR各社の路線別収支も公表されたことによって、JRの地方ローカル線の将来に向けて様々な議論が行われるようになっている。本研究ではまず、全国の地方鉄道路線について、利便性や経営収支・利用者数の推移などのデータを収集することによって地方鉄道路線において生じている問題点を分析する。また、その結果としてJR路線には地方の民間鉄道や第三セクター鉄道の路線とは異なる特有の問題点があることを明らかにし、その要因について考察する。さらに、自治体が関与してきた地方鉄道路線はJR路線と比較してサービス水準も高く経営状況も良好であることを示すとともに、欧州等においても自治体が関与していることによって、高いサービス水準が実現し、鉄道利用者の大幅な増加につながっていることを示す。最後にそれらを踏まえて、JRの地方ローカル線は自治体が関与することによって、サービス水準も収支も改善することができ、JRと自治体の双方にとってメリットのある再生方法があり得ることを具体的に示す。