目的:本研究の目的は,国際指標に基づいて47都道府県の児童・生徒の身体活動の関連指標の都道府県間差を性別に検討することであった。
方法:“Report Card on Physical Activity for Children and Youth”において国際的な指標とされている身体活動関連指標について,47都道府県の児童・生徒の代表的なデータを用いて,各指標について基準を満たす者の割合を算出し,それに基づいて,各指標の等級付けを性別に行った。
結果:47都道府県で活動的な移動手段および体型の等級は,A+~Bであった。組織化されたスポーツへの参加はB~C,体力はB~D,座位行動はC~D+であった。家族および仲間の影響はD-あるいはFであった。日常の身体活動量と活動的な遊びは評価ができなかった。性差をみると,女子の等級は男子に比較して,組織化されたスポーツへの参加と家族および仲間の影響はいずれの都道府県でも,活動的な移動手段は,一部の地域において低かった。男子の座位行動の等級は,いずれの都道府県でも女子に比較して低かった。
結論:体力を除く各指標の等級の地域間差は概して小さかった。しかし,一部の指標の等級はいずれの地域でも低く,改善が必要である。また,組織的なスポーツへの参加,家族および仲間の影響および座位行動,一部の都道府県の活動的な移動手段に性差があり,地域ごとに性差を考慮した対策の必要性が示唆された。