抄録
Linear Parameter-Varyng(LPV)システムとは時変パラメータを持つ線形システムである.LPVシステムに対してディジタル補償器を設計する際,その有限時間ゲインが本質的な役割を果たすことが予想される.そこで本論文では,パラメータのとる値および変化率が有界で,その上界が既知であるLPVシステムに対して,有限時間L2ゲインの上限を計算する方法を提案する.具体的には,パラメータの満たす積分二次制約を用いて,パラメータに依存しない有限時間システムの積分二次制約解析問題に帰着させる.