2024 年 65 巻 2 号 p. 421-431
本研究は,小学校理科第5学年「ものの溶け方」の相互教授において,共感的配慮行動の促進が成績下位層の学習成績に与える効果を検討することを目的とした。小学校第5学年の2クラス(65人)において,共感的配慮行動の促進の有無を操作し,理科の相互教授を同一教諭が実践した。その結果,共感的配慮行動の促進があるクラスの成績下位層は,ないクラスよりもテスト得点が向上し,共感的配慮行動を受ける回数が多く,授業中に成績向上に有効な発話が多く現れた。これらの結果から,授業における質問役の共感的配慮行動の促進により成績下位層が共感的配慮行動を受け,成績向上に有効な発話を促し,成績を向上させることが示唆された。