バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
解説
低侵襲手術ロボットシステム
佐久間 一郎
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2008 年 32 巻 3 号 p. 147-152

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抄録

低侵襲手術( Minimally Invasive Surgery)とは,腹腔鏡手術などの内視鏡手術と考えられることが多い.このような手術の支援には狭い空間で多自由度の精密な動きを実現し,術野の観察の自由度,患部の操作自由度を向上するために,外科処置操作を支援するロボットマニピュレータは有用な手術器具として機能する.一方,低侵襲治療とは,「必要最小限の侵襲で,目的とする病変の治療を行うこと」であり,正常組織にはできるだけ障害を及ぼさず,病変部位のみを選択的に治療する標的治療もある意味で低侵襲手術とみなすことができる.各種医用画像診断技術,生体計測技術,ロボット,物理エネルギー集束治療技術を融合し,患者体内の標的部位への治療手段の運搬技術開発することにより低侵襲精密標的治療技術開発が推進されるものと期待される.

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© 2008 バイオメカニズム学会
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