バイオインテグレーション学会誌
Online ISSN : 2186-2923
2 巻, 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 今井 弘一, 中村 和昭, 田上 昭人
    2012 年 2 巻 1 号 p. 91-96
    発行日: 2012年
    公開日: 2020/07/19
    ジャーナル オープンアクセス
    1997 年にin vitro 発生毒性試験法であるEST(EmbryonicStem cell Test)法がドイツで開発され、国際バリデーション試験で未知の化学物質でも十分に発生毒性リスクを予知できる評価法であることが示された。しかし、発生毒性は全身毒性であるため、化学物質の代謝因子を結果に反映させる必要がある。そこで我々は、ラット肝由来のhepatocyte の培養システムを用いて化学物質を代謝させ、その培地でマウス由来のES 細胞を分化させた。今回評価に用いたのは、歯科用インプラントの上部構造にも用いられる歯科用金属組成元素であるAg, Pd, Cu およびIn で、これらの代謝の有無でES 細胞から分化させた心筋の鼓動率を比較した。その結果、Ag、Pd、In は細胞分化への影響が大きくなったが、Cu は細胞分化への影響が小さくなった。肝臓のメタルチオネインが作用した可能性が大きいと考えられ、invitro 発生毒性試験法に代謝因子を導入することの意義は大きいと考えられる。
  • 星野 智大, 尾関 和秀, 後藤 哲哉, 増澤 徹, 青木 秀希
    2012 年 2 巻 1 号 p. 97-102
    発行日: 2012年
    公開日: 2020/07/19
    ジャーナル オープンアクセス
    骨親和性の高いアパタイト薄膜の開発を行うため、高周波プラズマスパッタリング装置を用いてTi上にストロンチウムアパタイト(SrAp)薄膜を作製した。膜の結晶化のため水熱処理を用いた。SrAp薄膜は、X線回折装置(XRD)を用いて同定及び結晶性を評価し、骨芽細胞様細胞により細胞接着、細胞面積及びVinculin発現、ラット骨芽細胞によりアルカリホスファターゼ(ALP)活性及びオステオカルシン(OCN)発現を評価した。XRD結果から、SrAp薄膜は水熱処理前でも高い結晶性を示した。接着細胞数では、水熱処理後のSrAp薄膜(hyd-SrAp)は水熱処理前よりも高い値を示したが、水熱処理後のHA薄膜(hyd-HA)との有意差は確認できなかった。細胞面積では、hyd-SrAp及びhyd-HAはTiと同程度であり、Vinculin数ではhyd-SrApはhyd-HAよりも高い値を示した。ALPではhyd-HAが最も高い値を示し、OCNではhyd-SrApがhyd-HAよりも高い値を示した。これらの結果から、hyd-SrApにより強く細胞が接着し、培養14日後の骨芽細胞の分化において、hyd-SrApとhyd-HAの骨親和性に明確な差異はないと考えられる。
  • Jia Hao, Shinji Kuroda, Kang Chen, Kanako Noritake, Reena Rodriguez, W ...
    2012 年 2 巻 1 号 p. 103-109
    発行日: 2012年
    公開日: 2020/07/19
    ジャーナル オープンアクセス
    Bisphosphonates are well known drugs that can inhibit bone resorption and normalize the high rate of bone turnover that characterizes osteoporosis. Recently, hydroxyapatite (HA) has been used in a bisphosphonates local delivery system to enhance peri-implant bone formation, and the results are generally encouraging. In the present study, a thin film HA coating prepared by radio frequency (RF) magnetron sputtering technique was used as a bisphosphonate carrier. The purpose of the present study is to evaluate whether a coating concentration of zoledronic acid (ZOL), a nitrogen containing bisphosphonate, can improve peri-implant bone formation and decrease bacterial adhesion. Custom made sputtered HA coated titanium cylinders with different amounts of ZOL were inserted into the femur of OVX rats. After 2 weeks healing, the animals were sacrificed and the samples were analyzed histologically and radiologically. The results indicated that the ZOL released from the sputtered HA coating stimulated peri-implant bone formation at relatively low doses (0.5 μg and 2 μg), which is even lower than previously reported using a ZOL administered plasma spray HA coating. Furthermore, the bacterial adhesion to the HA implant seemed unaffected by the application of ZOL. The results from this study demonstrate the effectiveness of a local delivery of ZOL from the sputtered HA coating in order to increase the peri-implant bone formation.
  • Marwa Madi, Osama Zakaria, Kanako Noritake, Masaki Fuji, Shohei Kasuga ...
    2012 年 2 巻 1 号 p. 111-117
    発行日: 2012年
    公開日: 2020/07/19
    ジャーナル オープンアクセス
  • 本津 茂樹, 樋口 裕一, 橋本 典也, 西川 博昭, 楠 正暢, 小正 裕
    2012 年 2 巻 1 号 p. 119-123
    発行日: 2012年
    公開日: 2020/07/19
    ジャーナル オープンアクセス
    生体吸収性膜材上にHApコーティングを施すことで、骨面および膜材の双方から骨再生でき、短期間に骨再生を完了する骨再生(GBR)メンブレンの作製を試みた。メンブレンにはポリ乳酸-グリコール酸共重合体(PLGA)を用いた。ハイドロキシアパタイト(HAp)薄膜は、レーザーアブレーション法により成膜された。HAp/PLGA複合メンブレンの生体親和性は、骨芽細胞の培養実験で評価された。また、HAp/PLGAメンブレンの臨床モデル試験は、犬の大腿骨欠損モデルを用いて行なわれた。細胞培養において、HAp/PLGAメンブレンはPLGAメンブレンに比べて優れた細胞増殖を示した。動物実験の結果、HAp/PLGAメンブレンはPLGAメンブレンに対して優れた骨伝導性を示した。これらより、HAp/PLGAメンブレンは次世代の骨伝導デバイスとして非常に有用であることがわかった。
feedback
Top