日本ヘルスサポート学会年報
Online ISSN : 2188-2924
ISSN-L : 2188-2924
3 巻
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 松田 晋哉, 藤森 研司, 伏見 清秀, 石川 ベンジャミン 光一, 池田 俊也
    2018 年 3 巻 p. 1-10
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/02/22
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     National Database( NDB)を用いて算出した標準化レセプト比SCR の在宅医療分をデータとして、在宅医療の推進に関連する要因の検討を行った。その結果、在宅医療(居宅)に関連する要因として、往診(.313)、訪問看護指示(.218)、緊急往診(.219)、在宅療養中患者_ 緊急入院受入(.049)、療養病棟入院基本料(-.078)、訪問薬剤指導の実施(.004)が在宅医療(居宅)のSCR に有意に関連していることが示された。この結果は、在宅医療(居宅)を進めるためには、訪問看護や訪問薬剤指導といった在宅のチーム医療提供体制に加えて、緊急往診や在宅療養中患者_ 緊急入院受入といった後方病院の役割が重要であることを示している。

  • 松田 晋哉, 冨岡 慎一, 村上 玄樹
    2018 年 3 巻 p. 11-18
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/02/22
    ジャーナル フリー

     DPC 及びNDB を活用した地域医療に関するデータと厚生労働省のDPC 公開データを用いて、急性心筋梗塞の入院治療の施設集積性をパフォーマンスの関係について予備的な分析を行った。その結果、Gini 係数の高い地域では、SCR が有意に高く、自己完結率、流入率も比較的高い値となっていた。以上より、機能分化が進んでいる地域の方がより多くの患者数の治療を行うことが可能であること、すなわち治療効率が高い可能性が示唆された。

  • 松田 晋哉
    2018 年 3 巻 p. 19-26
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/02/22
    ジャーナル フリー

     地域医療構想やそれに関連した地域計画の目的は「安心して住むことのできる街」をつくることにある。そのためには医療・介護サービスを効率的に提供できる住宅政策が必要である。本稿では圏内の先進事例を紹介し、今後の関連施策の方向性について論考する。

  • 松田 晋哉, 槙島 美佐子, 藤野 善久
    2018 年 3 巻 p. 27-34
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/02/22
    ジャーナル フリー

     内閣府の『経済・財政と暮らしの指標「見える化」データ集』に掲載されている「地方財政分野」、「社会保障分野」、「社会基盤分野」、「文教分野」、「暮らしの指標」、「人口指標」、「経済指標」の都道府県別集約データを用いて、一人当たり医療費に関連する要因の分析をパスモデルによって行った。データ数が少ないため満足のいく適合度のモデルは作成できなかったが、以下のような興味ある知見が得られた。 1)医療費に与える提供側の要因としては医師数よりも病床数の影響が大きく、また外来受療率よりは入院受療率の影響が大きい。したがって、医療費適正化の観点からは、現在進めている地域医療構想に基づく機能分化と配分の見直しが重要な政策課題となる。 2)高齢者の社会参加は医療の利用に負の影響を持っており、また健康に対する関心も高齢者の社会参加を通して間接的に医療の利用を抑制することが示唆された。このことは、就業促進などの高齢者の社会参加施策が医療費の適正化策からも有効であることを示唆している。 3)高齢化の医療費に対する影響は、高齢化のレベルよりはその増加率が大きいことが示唆された。増加率は老人福祉施設定数のような介護施策で代表される『代替政策』と負の関係にあり、したがって医療費適正化の観点からは高齢者の増加率の高い都市部で、介護サービスなどの代替政策の充実が必要であることが示唆される。

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