小児救急利用における軽症受診を明らかにするため、子ども数と出生順位で小児救急受診と子育て支援利用を探索的に分析した。
2009年1~3月、香川県の6歳以下の小児の保護者34,606名に、保護者の年代、家族形態、子ども数と、小児救急受診時の子どもの年齢、出生順位、症状、治療、子育て支援の利用について調査した。
小児救急受診児9,759名を、ひとりっ子1,723名、子ども2人(第1子1,723名、子ども2子1,777名) 、子ども3人(第1子362名、第2子549名、第3子895名)に分類した。「診察のみ」1,438名(17.8%)、「検査のみ」450名(5.6%) 、 「内服薬・座薬の処方のみ」3,492名(43.3%)、「点滴・吸入などの治療」1,070名(13.3%) 、 「入院」933名(11.6%)であった。救急受診はきょうだい数によって類似しており、ひとりっ子は病気による軽症受診、きょうだいのいる子どもは外傷による軽症受診の傾向を示した。出生順位の遅い子どもは、ひとりっ子よりも、やけど、異物誤飲・誤嚥が高率を示した。ひとりっ子の保護者は、子どもの救急、小児救急電話相談、病児・病後児保育の利用が高率で、共働きの核家族とひとり親が高率であった。本研究結果は、軽症での小児救急受診の原因探索として、子ども数、出生順位、家族形態による保護者の育児状況の探索が必要と示唆する。
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