日本救急看護学会雑誌
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原著
  • 作田 裕美, 新井 直子, 新井 龍, 樫木 政子, 永井 春歌, 上野 寿子
    原稿種別: 原著
    2024 年 26 巻 p. 9-19
    発行日: 2024年
    公開日: 2023/12/22
    ジャーナル オープンアクセス

    目的:看護管理者がフライトナース志願者の中からフライトナースを選抜する際に活用可能な「フライトナース選抜尺度」を作成し、その信頼性と妥当性について検討した。

    方法:フライトナースのコンピテンシーの概念分析結果から尺度原案(46項目)を作成し、救急看護認定看護師と認定看護管理者合わせて1,200名を対象に調査を行った。信頼性、妥当性の検討はCronbachのα係数、因子分析等により行った。

    結果:330票が回収され、有効回答率は27.5%であった。尺度は【役割自覚に基づくチームメンバーの開発】【柔軟性と影響力】【技術的/専門職的/管理的専門性】【分析的思考と概念化思考】【達成重視と関係構築】【対人関係理解と患者サービス重視】の6因子構造(全26項目)であった。尺度全体のCronbach α係数は0.967であり、Kaiser-Meyer-Olkinの標本妥当性の測度は0.95、Bartlettの球面性検定はp<0.001であった。

    結論:作成した尺度は、看護管理者が活用可能な信頼性と妥当性のある「フライトナース選抜尺度」であることが示唆された。

実践報告
  • 堀 智恵
    原稿種別: 実践報告
    2024 年 26 巻 p. 1-8
    発行日: 2024年
    公開日: 2023/12/22
    ジャーナル オープンアクセス

    目的:A大学病院での院内迅速対応システム(Rapid Response System以下、RRS)導入後の、RRS要請理由または要請時間帯と、要請後24時間および7日以内の死亡の関係を明らかにする。

    方法:対象は2014年10月〜2020年3月にRRSを要請された入院患者488名である。説明変数をRRS要請理由、要請時間帯とし、目的変数を転帰としてロジスティック回帰分析をした。

    結果:24時間以内の死亡と要請理由の関連は「SpO2<90%または酸素投与量の増量」(OR:2.57,95%CI:1.14-5.82,p=0.023)、「収縮期血圧<80mmHg」(OR:2.20,95%CI:1.04-4.67,p=0.004)だった。7日以内の死亡は「SpO2<90%または酸素投与量の増量」(OR:4.02,95%CI:2.10-7.72,p<0.001)、「収縮期血圧<80mmHg」(OR:2.09,95%CI:1.17-3.75,p=0.013)だった。24時間以内の死亡のORは、日勤帯は1であったが、深夜帯は2.48であった(95%CI:1.15-5.33,p=0.021)。

    考察:「SpO2<90%または酸素投与量の増量」「収縮期血圧<80mmHg」は24時間以内および7日以内の死亡と関連を認めた。深夜帯では死亡のORが日勤帯に比べ有意に上昇し、夜間の対応の重要性が示唆された。

研究報告
  • 小倉 久美子, 河村 諒, 市川 敦子
    2024 年 26 巻 p. 20-31
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/17
    ジャーナル オープンアクセス

    目的:本研究の目的は、救急外来における救急看護認定看護師による院内トリアージの実践を明らかにすることである。

    方法:研究参加者は7名の救急看護認定看護師であり、半構造化面接を用いて質的記述的に分析した。

    結果:院内トリアージの実践は、迅速に系統立てて情報を収集する問診、確実な観察、急変を回避する再評価の「緊急度判定につながる実践」であり、患者の心情を察知し安心感を与える「待機患者の情緒的側面を配慮した実践」であった。そして、感染管理や効率的に院内トリアージを進める「マネジメントの実施」であり、「積み重ねた知識・技術の活用」が基盤にあった。

    結論:混雑した救急外来の場で安全な院内トリアージを実践するうえで、看護師間、他の医療職との連携・協働や統率力を発揮する「マネジメントの実施」は必要不可欠である。

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