目的:A大学病院での院内迅速対応システム(Rapid Response System以下、RRS)導入後の、RRS要請理由または要請時間帯と、要請後24時間および7日以内の死亡の関係を明らかにする。
方法:対象は2014年10月〜2020年3月にRRSを要請された入院患者488名である。説明変数をRRS要請理由、要請時間帯とし、目的変数を転帰としてロジスティック回帰分析をした。
結果:24時間以内の死亡と要請理由の関連は「SpO2<90%または酸素投与量の増量」(OR:2.57,95%CI:1.14-5.82,p=0.023)、「収縮期血圧<80mmHg」(OR:2.20,95%CI:1.04-4.67,p=0.004)だった。7日以内の死亡は「SpO2<90%または酸素投与量の増量」(OR:4.02,95%CI:2.10-7.72,p<0.001)、「収縮期血圧<80mmHg」(OR:2.09,95%CI:1.17-3.75,p=0.013)だった。24時間以内の死亡のORは、日勤帯は1であったが、深夜帯は2.48であった(95%CI:1.15-5.33,p=0.021)。
考察:「SpO2<90%または酸素投与量の増量」「収縮期血圧<80mmHg」は24時間以内および7日以内の死亡と関連を認めた。深夜帯では死亡のORが日勤帯に比べ有意に上昇し、夜間の対応の重要性が示唆された。
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