各種の老人性痴呆症患者7名 (年齢61~90歳, 男3名, 女4名) を対象とし, これら患者の腸内菌叢ならびに糞便理化学性状を検索し, また同時に, これら患者にビフィズス菌およびフラクトオリゴ糖入りアップル&コーンファイバー (A & C) を経口投与し, 痴呆症患者における腸内環境の改善効果の有無を検討した. 対象とした痴呆症患者の腸内菌叢は, 総菌数はこれまで報告されている健常老人より低く,
Clostridium perfringensおよび
Streptococcusの菌数は高い傾向にあった.また, 糞便pHは弱アルカリ性を示した. 一方, A&C投与によっては
Clostridium, Staphylococcusおよび
Bacillusの菌数の減少ならびに若干のpHの低下が認められた.
抄録全体を表示