日本臨床栄養学会雑誌
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42 巻, 1 号
日本臨床栄養学会雑誌
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 新井 英一
    2020 年42 巻1 号 p. 6-7
    発行日: 2020/10/20
    公開日: 2025/11/10
    ジャーナル フリー
  • 山田 悟
    2020 年42 巻1 号 p. 8-23
    発行日: 2020/10/20
    公開日: 2025/11/10
    ジャーナル フリー
     欧米では糖質制限食はこの15年で糖尿病や肥満症の治療法としてガイドラインに採用され,2019年には米国糖尿病学会は糖質制限食を血糖改善に最もエビデンスのある食事法だとしている.一方,我が国では,今なお糖質制限食を正式に採用せず,糖尿病や肥満症の治療法としてエネルギー制限食を採用しつづけている.しかし,1日のエネルギー摂取量を固定するエネルギー制限食には,長期の体重管理や罹病年数の長い糖尿病患者の血糖管理に対して無効または有害であるとの成績が出ており,インプット(患者指導法)としてのエネルギー制限食は科学的根拠に基づき採用不可能である.こうした状況の背景として,我が国の栄養学における,EBMの理解不足,ディベートの経験不足,根拠なき我慢の推奨が存在するものと考えられる.今後の我が国の栄養学を正しく発展させるためには,糖質制限食,エネルギー制限食を含め,正当な批判的吟味が必要である.また,実践する者のQOLを高めるような食事法の開発を志すべきである.そして,緩やかな糖質制限食・ロカボ®はその一例であると信じている.
  • 青木 敦子, 松岡 康浩, 松島 照彦
    2020 年42 巻1 号 p. 24-35
    発行日: 2020/10/20
    公開日: 2025/11/10
    ジャーナル フリー
    【目的】近年,老化の機序が注目され,いくつかの食品成分に老化の機序に抑制的な効果が報告されている.本研究では,紫外線照射線維芽細胞をモデルとし,細胞のコラーゲン産生等を老化の指標として測定し,培地に食品の機能性成分等を添加して影響を観察した.またその作用の機序を遺伝子レベルで検討することを目的とした. 【方法】線維芽細胞に紫外線A波(UVA)を照射し,培地中にレスベラトロール(Res),エピカテキン(Epi),トリペプチド(Tri)等を加え,培地中へのコラーゲン等の分泌量,細胞膜連結型等のコラーゲン蓄積量を測定し,real-time PCRを用いて遺伝子発現変化を観察した. 【結果】コラーゲン分泌量は照射時間が長くなるに従い減少したが,Triの添加で増加した.コラーゲン蓄積量はResの添加により減少した.Collagen-I等の遺伝子発現はUVA照射なしではRes,Epiの添加により増加し,また照射後ではTri の添加で増加がみられた. 【結論】Res,Epiは,UVA照射なしの条件下において,またTriはUVA照射後において遺伝子発現レベルでコラーゲンの合成を促進し,老化を抑制する可能性が示唆された.
  • 廣岡  咲, 井尻 吉信, 松若 良介, 森口 知則, 森口 久美子
    2020 年42 巻1 号 p. 36-45
    発行日: 2020/10/20
    公開日: 2025/11/10
    ジャーナル フリー
    【目的】無床診療所通院患者におけるフレイルの実態を明らかにする. 【方法】無床診療所に通院している65歳以上の患者(257名)を対象とし,基本チェックリスト,身体測定,滑舌,舌圧,握力,下肢筋力の測定を行った.また,栄養食事調査には簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)を用いた.さらに,患者のカルテより疾患名や服薬状況,血清アルブミン値を調査した. 【結果】基本チェックリストを用いて分類した結果,対象者257名中,106名(41.2%)がロバスト(フレイルなし),96名(37.4%)がプレフレイル,55名(21.4%)がフレイルと判定された.これら3群間での比較を行ったところ,フレイル群の滑舌,舌圧,握力,下肢筋力はロバスト群に比べ有意に低値を示した(p<0.01).また,フレイル群の現体重1kgあたりのエネルギー摂取量はロバスト群に比べ低値を示したが(p< 0.05),エネルギー産生栄養素および各食品群別摂取量は各群間で差は認められなかった. 【結論】無床診療所に通院し,かつ本研究に同意した65歳以上の患者の約60% がプレフレイル・フレイルに該当することが明らかとなった.また,フレイル群の口腔機能・全身の筋力・摂取エネルギー量は,ロバスト群に比べ低値を示した.
  • 武内 海歌, 北野 睦三, 北村 亜紀子, 吉村 知夏, 鞍田 三貴
    2020 年42 巻1 号 p. 46-53
    発行日: 2020/10/20
    公開日: 2025/11/10
    ジャーナル フリー
    【目的】アジアワーキンググループの診断基準に準じて初診断時における下咽頭がん男性患者のサルコペニア(広義のサルコペニア)有病率を調査し, その特徴をみた. 【方法】2016年2月から2018年10月までに当科にて下咽頭がんと診断され, 65歳以上かつInbody及び握力が測定できた男性23人とした.低骨格筋量と低握力ともに認められた症例をサルコペニア(S群),低骨格筋量のみ認められた症例をプレサルコペニア(Pre-S群),いずれも認められない症例を非サルコペニア(Non-S群)に分類し,年齢,がんステージ,ブリンクマン指数,初診断時の身体測定値や血液検査を比較検討した. 【結果】8人(35%)がサルコペニアであった.S群は初診断時の体重, 筋肉量, 血清Alb, TTR, ALTが有意に低く,CRPが高値であった.がんステージや体重減少,重複がんの有無は3群間に差はなかったが,S群は死亡率が有意に高率であった. 【結論】下咽頭がん患者の約4割が広義のサルコペニアを有し, 治療後の死亡率にも影響していた.下咽頭がん患者の体重減少は最も生存率に影響する因子との報告があるが,自覚的な体重減少がなくとも,初診断時にサルコペニアの有無を評価することは臨床アウトカムに寄与する.
  • 井上 里加子, 綾部 誠也, 平松 智子, 佐藤 ゆかり, 小川 亜紀, 土井 美希, Yasmin Syauki A., 影山 鈴美, 瀬 ...
    2020 年42 巻1 号 p. 54-65
    発行日: 2020/10/20
    公開日: 2025/11/10
    ジャーナル フリー
    【目的】加齢に伴い増加する便秘に対して,排便コントロールには下剤や浣腸が多用されるが,便失禁を招くことも多く,高齢者や介護者の負担増大や生活の質の低下の原因となる.本研究は,中高年者を対象に6週間の米麹甘酒の飲用試験を実施し,その前後での腸内環境と便秘症状の変化を明らかにすることを目的とした. 【方法】中高年者32 名を対象に,35g/日,6週間の米麹甘酒介入研究を行った.介入前後にBristol stool scale(BSS)と日本語版便秘評価尺度(CAS)を調査した.介入前後の糞便から腸内細菌叢(13項目)を測定した. 【結果】BSSとCASは,介入前後に有意な差が確認された.被験者は普通便に近づき,便秘群においては甘酒摂取により便秘症状の有意な改善が見られたが,非便秘群でも軟便化や便失禁増加は見られなかった.一方,腸内細菌叢は, Firmicutes / Bacteroidetes比の有意な低下,便秘群ではBifidobacterium,Akkermansiaの有意な増加が見られた. 【結論】6週間の米麹甘酒摂取は便秘症状を呈する中高年者の便秘を改善し,腸内細菌叢の変化を確認した.
  • 種村 菜奈枝, 柿崎 真沙子, 漆原 尚巳
    2020 年42 巻1 号 p. 66-81
    発行日: 2020/10/20
    公開日: 2025/11/10
    ジャーナル フリー
    【目的】機能性表示食品の有効性及び安全性に関する消費者向け情報に含まれる難解語(医学や臨床試験に関する用語)を特定することである. 【方法】研究デザインは,無記名自己記入式質問紙調査とし,消費者パネルを対象に2019年6月に予備調査100例,2019年8月に本調査1000名で実施した.難解語候補525語の認知の有無を予備調査で確認し,認知割合80 %以上の用語を除いた468語を本調査の調査対象語とした.本調査では,調査対象語の認知・理解度を調査し,難解語(認知割合80 %未満の用語)及び理解乖離語(認知割合と理解度の差が20 % 以上の用語)を特定した. 【結果】本調査の対象者の平均年齢は,男性45.3歳(標準偏差14.59),女性45.2歳(標準偏差14.77)であった.難解語446語と理解乖離語1語が特定された.認知割合が最も低い難解語は,TC,PUFA,ECF,SBP,賦形剤(認知割合0%)の5語であった.理解乖離語はデザインであった. 【結論】消費者向け基本情報に含まれる難解語を考慮した平易な言葉を使用することで,効果的なリスクコミュニケーションが推進されるであろう.
  • 宇野 千晴, 岡田 希和子, 松下 英二, 葛谷 雅文
    2020 年42 巻1 号 p. 82-93
    発行日: 2020/10/20
    公開日: 2025/11/10
    ジャーナル フリー
    【目的】透析患者の高齢化が進み,低栄養と生命予後との関連が報告されている.高齢者において舌圧の低下は,摂食嚥下障害やサルコペニア,低栄養と関連することが明らかである.そこで,血液透析患者における舌圧とサルコペニアおよび栄養指標との関連を明らかにすることを目的とした. 【方法】対象は透析歴が6 ヵ月以上で週3回通院している血液透析患者 145人(68. 2±12. 2歳,男性69. 2%,糖尿病28. 9%)とした.調査項目は身長,体重,Body mass index (BMI),体組成の測定,血液検査,舌圧,食事調査・栄養評価,握力,歩行速度,Activities of daily living調査とした.サルコペニアはAsian Working Group for Sarcopenia 2019の診断基準により判定した. 【結果】対象者の平均舌圧は29. 6±11. 2 kPaであった.サルコペニアを有する患者で舌圧は有意に低値を示した(P=0. 023).男女ともに,舌圧は握力,筋肉量,エネルギー摂取量,たんぱく質摂取量,Mini nutritional assessment®-short formで有意な正の相関関係を示した(P<0. 05).透析歴や歩行速度には有意な相関はみられなかった. 【結語】血液透析患者おいて,舌圧はサルコペニア指標や栄養状態と相関がみられ,舌圧の低下はエネルギーやたんぱく質の摂取不足につながる可能性が示唆された.
  • 第41回日本臨床栄養学会総会 第40回日本臨床栄養協会 第17回大連合大会 ワークショップ
    原  光彦, 原 正美, 上野 佳代子, 板倉 弘重, 伊藤 節子, 斉藤 恵美子, 下条 直樹, 高増 哲也, 長谷川 美穂, 岡田 知雄
    2020 年42 巻1 号 p. 94-102
    発行日: 2020/10/20
    公開日: 2025/11/10
    ジャーナル フリー
  • 高増 哲也
    2020 年42 巻1 号 p. 103-107
    発行日: 2020/10/20
    公開日: 2025/11/10
    ジャーナル フリー
  • 宮島 功
    2020 年42 巻1 号 p. 108-111
    発行日: 2020/10/20
    公開日: 2025/11/10
    ジャーナル フリー
  • 折茂 英生
    2020 年42 巻1 号 p. 112-113
    発行日: 2020/10/20
    公開日: 2025/11/10
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