徒手理学療法
Online ISSN : 2434-4087
Print ISSN : 1346-9223
23 巻, 2 号
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巻頭言
研究論文
  • 倉田 健太郎, 三木 貴弘, 近藤 湧, 高﨑 博司
    2023 年 23 巻 2 号 p. 105-111
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/25
    ジャーナル フリー

    Lumbar Spine Instability Questionnaire(LSIQ)は15項目からなる質問紙票で,生物学的要因の身体的側面と心理社会的要因の認知的側面のうち, どちらを優先してマネジメント戦略を立案するか考える際に役立つ可能性がある。15項目の一部の質問のみでLSIQの大枠をとらえられるのならば臨床推論の効率を高められる。そこで本研究では,日本語版LSIQの各質問項目のテスト・再テスト信頼性を調べるとともに,主成分分析により,日本語版LSIQの主要な質問項目の特定を目的とした。初回理学療法の少なくとも1日前と初回理学療法の直前の2回,採取が可能であった50名の腰痛患者のデータから,Prevalence-adjusted Bias-adjusted Kappa (PABAK)を算出した。その結果,PABAK値が0.4未満の項目はなかった。次に,107名の腰痛患者における日本語版LSIQのデータを解析した結果,6つの成分が検出された。累積寄与率は65.0%ほどで,第一成分の寄与率も22.1%に留まった。日本語版LSIQは信頼性を有するが,一部の項目に絞って臨床推論に用いるのは難しいと考えられる。

  • 伊藤 晴紀, 千葉 弘樹, 半田 裕介, 北村 智也, 竹内 梨都子, 高﨑 博司
    2023 年 23 巻 2 号 p. 113-119
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/25
    ジャーナル フリー

    本邦では理学療法先進諸国のように,地域在住の一般人が理学療法士に腰痛のセルフマネージメント戦略の獲得に向けた教育的な内容や生物心理社会的アプローチを求めているのか不明である。そこで,本研究は,地域在住の一般人の,腰痛の際に理学療法士に求めるものと,腰痛予防に対するセルフマネージメントを半構造化インタビューにより調査・分析した。19名のデータに基づく主題分析の結果,理学療法士に求めることについて5つのテーマが抽出された:社会的観点,身体生物学的観点,治療の方向性提示,理学療法士による治療手段の選択,医者との連携。腰痛予防に対するセルフマネージメントとしては,受動的治療継続行動の他に主体的な腰痛予防対策であるHealth Directed BehaviorやSelf-monitoring and Insightを含む3つのテーマが抽出された。本邦においても腰痛に対する教育的アプローチや生物心理社会的アプローチを通じた主体的な腰痛予防対策への需要がある可能性が考えられた。

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