自然言語処理
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21 巻, 1 号
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巻頭言
論文
  • 林部 祐太, 小町 守, 松本 裕治
    2014 年 21 巻 1 号 p. 3-25
    発行日: 2014/03/14
    公開日: 2014/06/14
    ジャーナル フリー
    一般に,項は述語に近いところにあるという特性がある.そのため,従来の述語項構造解析の研究では,候補を述語との位置関係でグループ分けし,あらかじめ求めておいたグループ間の優先順序に従って正解項を探索してきた.しかしながら,その方法には異なるグループに属する候補同士の比較ができないという問題がある.そこで我々は,異なるグループごとに最尤候補を選出し,それらの中から最終的な出力を決めるモデルを提案する.このモデルは優先度の高いグループに属する候補以外も参照することによって最終的な決定を行うことができ,全体的な最適化が可能である.実験では,提案手法は優先順序に従う解析よりも精度が向上することを確認した.
  • André Kenji Horie, Kumiko Tanaka-Ishii
    2014 年 21 巻 1 号 p. 27-40
    発行日: 2014/03/14
    公開日: 2014/06/14
    ジャーナル フリー
    This paper presents a simple yet effective approach to sentence-level uncertainty detection which does not require cue word annotation. Unlike previous works, the proposed method focuses on cue selection, decoupling it from disambiguation and by optimizing it over sentence hedging error rate. High performance for the task is achieved in experiments, even for settings with poor disambiguation, without cue annotation and with otherwise unreliable corpora from a machine learning point-of-view.
  • 村脇 有吾
    2014 年 21 巻 1 号 p. 41-60
    発行日: 2014/03/14
    公開日: 2014/06/14
    ジャーナル フリー
    階層的複数ラベル文書分類においては,あらかじめ定義されたラベル階層の利用が中心的な課題となる.本稿では,複数の出力ラベル間の依存関係という,従来研究が用いてこなかった手がかりを利用する手法を提案する.これを実現するために,まずはこのタスクを構造推定問題として定式化し,複数のラベルを同時に出力する大域モデルと,動的計画法による厳密解の探索手法を提案する.次に,ラベル間依存を表現する枝分かれ特徴量を導入する.実験では,ラベル間依存の特徴量の導入により,精度の向上とともに,モデルの大きさの削減が確認された.
  • 新納 浩幸, 佐々木 稔
    2014 年 21 巻 1 号 p. 61-79
    発行日: 2014/03/14
    公開日: 2014/06/14
    ジャーナル フリー
    本稿では語義曖昧性解消 (Word Sense Disambiguation, WSD) の領域適応が共変量シフトの問題と見なせることを示し,共変量シフトの解法である確率密度比を重みにしたパラメータ学習により,WSD の領域適応の解決を図る.共変量シフトの解法では確率密度比の算出が鍵となるが,ここでは Naive Bayes で利用されるモデルを利用した簡易な算出法を試みた.そして素性空間拡張法により拡張されたデータに対して,共変量シフトの解法を行う.この手法を本稿の提案手法とする.BCCWJ コーパスの 3 つ領域 OC (Yahoo! 知恵袋),PB(書籍)及び PN(新聞)を選び,SemEval-2 の日本語 WSD タスクのデータを利用して,多義語 16 種類を対象に,WSD の領域適応の実験を行った.実験の結果,提案手法は Daumé の手法と同等以上の正解率を出した.本稿で用いた簡易な確率密度比の算出法であっても共変量シフトの解法を利用する効果が高いことが示された.より正確な確率密度比の推定法を利用したり,最大エントロピー法の代わりに SVMを利用するなどの工夫で更なる改善が可能である.また教師なし領域適応へも応用可能である.WSD の領域適応に共変量シフトの解法を利用することは有望であると考えられる.
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