目的:臨床実習施設における指導体制ならびに指導者の指導観について調査し,よりよい臨床実習に資する情報を提供すること。方法:日本理学療法士協会に登録された施設でアンケート調査を実施した。対象は医療施設と医療福祉中間施設11,138名とし,1つの施設で1名の理学療法士がアンケートに回答するものとした。結果:臨床実習指導者の配慮は実習生の学究的な能力に派生していた。さらに,多くの臨床実習指導者は社会の変化に敏感であった。そして,彼らは指導の計画を立てて,指導力改良に体系的に取り組んでいた。しかし,臨床経験と指導経験,教育関係学問の修得の有無,総合実習はこれらの結果と関連していた。結論:効果的かつ円滑に実習を進めるためには,臨床実習指導者,養成施設,および実習生の相互の理解と準備が必要である。そして,成人教育学に基づくよりよい臨床実習教育の開発が望まれる。
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