わが国の経済は現在も順調な拡大を続けているが,産業の基礎となる資源の供給構造は依然として脆弱であり,わが国の経済状態を将来も維持発展させるには資源の安定供給のための十分な戦略が構築されなければならない。このためには,国内資源の最大限の活用,海外資源の開発,国際協力など多角的な取り組みが必要であるが,その前提となるのは専門技術者の養成,確保である。
本稿においては,まず,わが国の資源の需給の現状を概観し,資源技術者の重要性が将来に向けてむしろ増すであろうことを指摘した。次にこの意味において大学における資源工学教育の意義が増大することを強調した。最後に,九州大学工学部資源工学部における教育のあり方と,海外協力のひとつとして同学科が中心となって行っている,地熱エネルギーおよび石炭資源開発利用の二つの国際研修コースを紹介した。
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