教育の授業の形態には,多人数講義教育,小集団教育,セミナー,実験など様々な形態がある。その中で,多人数講義教育では,講義内容の学生の理解度と講義中にささやく「学生の私語」に基づく"ざわめき"の間には,一定の関係がある様に思える。もし,この関係がある程度の相関で成り立つとすればう"ざわめき"を測定しながらその測定結果から得られるパラメータを教員が把握しつつ,話し方,図面の提示の仕方,数式の使い方などの学生の理解度に影響をおよぼす要因(「理解度作用パラメータ」)を変えながら講義を進めることができるようになる。すなわち,この意味は,講義の進行に応じて変えられるべきものである理解度作用パラメータa,b,c,…を時々刻々変化する"ざわめき"(時間関数)n(t)に求めることである。したがって,時々刻々変化する学生の理解度U
d(t)(これを「直感的理解度」と呼ぶ)は,定数をKとして
U
d(t)=K・f(a,b,c……)・n(t)…(1)
のように表現できる。本研究は,このような期待を持って講義内容に対する直感的理解度U
d(t)と,「学生の私語」と講義の進行に伴う「教員の講義の声」を含む"ざわめき"n(t)の時系列信号の関係を調べた結果である。その上で,教授方法を教員が自分で制御するための「自己コントロールモニタリングシステム」を提案するものである。
(1),(2),(3)
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