現代の出版動向に関する特集にあたって,「出版に関する本」のレビューを依頼された.本稿では,Herbert S. Bailey, Jr. 氏の『The Art and Science of Book Publishing』を再評価し,それに代えたい.原書は,1970年にHarper & Row 社から刊行.日本語版は1976年に箕輪成男氏によって翻訳され『出版経営入門―その合理性と非合理性』として出版同人から刊行された.
本書を翻訳した箕輪成男氏は,近年,壮大な出版史に挑み,4冊の本を刊行された.円熟期に達したとされる“箕輪出版学”のルーツこそ本書『出版経営入門―その合理性と非合理性』だと思い,ここに古典的名著をレビューすることにする.
抄録全体を表示