日本衛生動物学会地方支部大会要旨抄録集
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  • 谷川 力
    p. s1
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/01
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    ネズミの問題はなくなることはなく、むしろ増加の傾向を示している。この背景には、増加しているネズミがクマネズミであること。ビルや住宅で使用できる有効な殺そ剤は一つもないこと。粘着トラップだけの駆除ではそれを避ける個体の存在で100%捕獲はできないこと。さらに、都市がネズミからの感染症の媒介等によって大きなダメージを受けない限り行政も動かないことなどがある。このような事情の中、今日のネズミ事情はどうなっているか、演者は第51回日本衛生動物学会(1999)でも同様の題で発表したが、その後も複数の事例を経験したのでここに報告する。
    住宅街のネズミ問題

    (1)家人によるネズミの駆除の難しさ
    (2)複雑なネズミの侵入口
    (3)賢いネズミの存在
    (4)ワルファリン抵抗性クマネズミの存在
    (5)屋外での活動域が場所により異なる
    (6)ドブネズミの存在
    (7)PCOでの対応
    (8)いかがわしい機器類

    都市ビルのネズミ問題
    (1)以前よりネズミは減っている?
    (2)W抵抗性クマネズミの増加
    (3)粘着トラップを避けるネズミ
    (4)ドブネズミとの共存

    以上のように住宅のネズミ問題と都市ビルのネズミ問題は若干異なる。最も大きな違いは一戸の住宅にネズミが定住するケースは少なく、ビルでは定住していることである。また生息数についても一戸当たりのネズミ数は少なく、ビルでは多い。
    これらの大きな差は食料や冬の温度差が住宅とビルでは大きく異なることが考えられる。また、住宅ではネズミの生息を深刻に考えているが、ビルではそれほどではないケースも多いと思われる。
  • 荒木 潤
    p. s2
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/01
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    目黒寄生虫館では事業の一つとして、異物鑑定を行っている。最近の傾向か、当館の鑑定件数も多くなり、その種類・内容も様々である。最近2年半(平成12年1月~平成14年6月)の間に扱った件数は599件そのうち個人の依頼は約14%(85件)で大部分は水産会社、検査会社、食品会社などの企業からであった。検体の種類は魚・魚介類が大半を占め63%(379件)、虫体そのものが16%(96件)、弁当・惣菜など6%(38件)、畜産品4%(22件)となっている。鑑定内容は、線虫(類線形動物も含む)が最も多く175件でその内訳の多くがアニサキス(Anisakis simplex)とシュウドテラノバ(Pseudoterranova decipiens )で、その割合は57:59とほぼ同率であった。次いで昆虫類、条虫類、甲殻類、環形動物(ミミズ、蛭、ゴカイなど)、吸虫類、原虫類などであった。これらの検体は状態の良いものもあったが、中には乾燥しているもの、砕けたものなど様々で、検査に骨の折れるものも少なくなかった。また、魚の組織の一部、一部、植物の繊維など寄生虫・衛生動物以外のものも含まれ、多様性を極めていた。今回は、これらの中から、なるべく多くの個々の事例を紹介する。
  • 岸 邦彦
    p. s3
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/01
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    横浜市では,ねずみ族及び昆虫等に関する相談対応業務を市内18区役所福祉保健センターが行い,地域の特性や実情に応じた駆除指導等を行なっている。本市においては例年約9000件のそ族昆虫等に関する相談が寄せられるが,中でもハチ類の相談が最も多く,全体の約70%を占めている。その他の生物では,ねずみ族,ダニ類,シラミ類,ガ類等がいずれの年度ともに上位を占めている。ハチ類の中でもアシナガバチに関する相談が多く,60%を占めている。次いでスズメバチ20%,ミツバチ7%である。ねずみ族では,ドブネズミに対する相談が48%と多く,ハツカネズミ,クマネズミの相談は少ない。ダニ類は,ツメダニが35%を占め,アレルギーの原因ともいわれるチリダニの相談は年々少なくなってきている。シラミ類は,アタマジラミが90%以上を占め,ケジラミとコロモジラミの相談は少ない。またその他として,不快害虫とされるヤスデやカメムシについても,周期的に大量発生する関係から,相談件数が多くなる年もある。
    これらのほか,生活環境の変化に伴って,かつてはあまり問題とされなかった昆虫等の相談も増えてきている。
  • 岩本 龍彦
    p. s4
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/01
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    薬事法はハエ・蚊など8種の衛生昆虫を防除する効能の殺虫剤を、一般用医薬品としている。うち、劇性の低いものは流通上の規制を受けない医薬部外品だ。殺虫剤のフォーミュレーターは、感冒薬や胃腸薬のようないわゆる大衆薬のひとつとして、GLPやGMPをはじめとする、各種実践規範のもとに商品を提供してきた。
    ところが虫を殺すという性格上、実際にはそれらの急性毒性が風邪薬などより低いにもかかわらず、いたずらに危険視される傾向にある。これらはマスコミの産物かもしれないが、一方ではわが国の初等中等教育における科学教育や、生活者啓蒙のあり方も問われるべきだろう。
    いまでは環境衛生用殺虫剤の役割の大半が、一昔前の伝染病の予防でなく、アーバナイゼーション下のニューサンスコントロールに力点が置かれる。とは言え、感染症の新興もしくは再興も、99年にニューヨークで発生したウエストナイル脳炎に見るように、油断ができない。また地球温暖化に伴うデングやマラリアが北上する兆しもある。
    いざと言うときに、殺虫剤を正しく使うための備えがあるかはなはだ疑問だ。IPMや環境保全の考えを容れた、エコノミック(実用的)エントモロジーの更なる研究と普及が待たれる。同時に、行政には、納税者に向けて薬剤の安全性や有効性に関するより高度な情報発信と、これら化学物質の一元的管理への方向付けが期待される。
  • 富岡 康浩, 柴山 淳
    p. 1
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/01
    会議録・要旨集 フリー
    コンテナ(70cm×35cm,高さ28cm)の向き合う壁面下部に穴(3cm×2cm)を空け、各々にパイプ付き容器を取り付け、一方のパイプからのみ0~5m/secの範囲の種々の風速で空気を吐出させた。コンテナ内中央部にゴキブリ雄成虫50頭を放し、30分後に各々のパイプ付き容器内に入った個体数を計数し、風速とゴキブリ侵入率との関係を求めた。次に侵入口を設けた送風ファン付きボックス(8cm×16cm,高さ6cm)の中に粘着トラップを入れた捕獲器を3m2の室内の両角に1台ずつ設置し、中央部にゴキブリ100頭(25♂,25♀,50幼虫)を潜伏させたシェルター、餌、水を配置した。一方の捕獲器のみ風速0~3m/secの範囲で送風し、25℃暗条件下、16時間後の捕獲数を調べた。
    上記のいずれの試験においても、開口部からの連続的な弱風に対してチャバネゴキブリの誘引効果が見られ、風速1m/sec付近に侵入率のピークが確認された。
  • 白井 良和, 近藤 昇, 中山 純也, 濱谷 剛, 泉 譲, 彦根 良雄, 岩佐 賢一, 元木 貢
    p. 2
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/01
    会議録・要旨集 フリー
    東京都内百貨店の飲食店、食料品店で、チャバネゴキブリが激増し、イミプロトリン含有エアゾールによる追い出しと有機リン剤殺虫処理やヒドラメチルノン含有ベイト剤処理を行ってきたが、ゴキブリ数は減少しなかった。そこで、トラップによりゴキブリ数を調査しながら、フィプロニル含有ベイト剤処理を開始したところ、急激にゴキブリ指数は低下し、2002年5月23日の調査で平均14.4のゴキブリ指数であったのが、6月12日には8.6、6月25日には2.0、7月9日には0.4、7月27日には0.1にまで低下し、殆どの店舗のトラップで、ゴキブリ捕獲数がゼロとなった。フィプロニル含有ベイト剤処理は、有機リン剤、イミプロトリン含有エアゾール処理よりはるかに安全で効果的であり、ヒドラメチルノン含有ベイト剤より少量の処理で有効の為、安全性、効力ともに優れた施工方法であると考えられる。
  • 渡部 泰弘, 平尾 和也, 田原 雄一郎
    p. 3
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/01
    会議録・要旨集 フリー
    先に、チャバネゴキブリは糞や死骸を通常は食べないことを報告した。マウス固形試料(餌)、ゴキブリ乾燥糞、乾燥ゴキブリ死骸を並べておいた場合、チャバネゴキブリは常に餌を選んだ。また、糞や死骸のみでは成虫の寿命が短く繁殖も悪化した。
    今回、クロゴキブリ成虫(雌雄、幼虫)を供試して同様な試験を試みた。クロゴキブリ雌雄及び幼虫は3種の試料(マウス固形餌、乾燥クロゴキブリ糞、クロゴキブリ乾燥死骸)が並置されたときは、常に餌を最も好み、次いで死骸を選んだ。自身の糞はほとんど消費されなかった。これは、チャバネゴキブリと同じ傾向であった。
    2種の組み合わせ(餌と糞、餌と死骸、糞と死骸)が並置された場合、クロゴキブリは、餌>糞、餌>死骸、糞<死骸を選択した。
    餌と水以外の試験区では、共食いが頻繁に観察された。
    水と餌では、40日までほとんど死亡しなかった。他方、水と糞、水と死骸では15日経過後から死亡する個体が見られた。
  • 私市 正利, 小菅 皇夫
    p. 4
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/01
    会議録・要旨集 フリー
    全国でハチに刺されることによる死亡者は、年間30~40人である。本市においては例年2,000~3,000件のスズメバチ類に関する相談が寄せられるが、これらの中で刺傷被害が起こっているケースは6%前後である。そこで、都市部における刺傷被害状況を把握し、被害を未然に防ぐ方法を探る目的でアンケート調査を行った。
    その結果、「50~60歳代」の「男性」が、「8月」の「午前中」に、「巣の近くで作業中」に、「キイロスズメバチ」に「腕や手」を「1箇所」刺され、「痛みのみの症状で終わる」がそれぞれ最も多い事例であった。しかし、刺された人の10%が何らかのアレルギー症状を呈した。
  • 大町 俊司, 谷川 力
    p. 5
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/01
    会議録・要旨集 フリー
    食品や飲料等へ昆虫類が異物混入として発見された時、その昆虫異物が加熱行程を経ているか否かの判断材料として、カタラーゼによる発泡の有無による結果を利用することが多い。また、その発泡量は時間経過、食品や飲料類の種類によって大きく異なることも知られている。
    一方、β-ナフチルアセテートは、有機リン抵抗性有無の判断基準として使用されている。
    今回、このβ-ナフチルアセテートを利用し、昆虫類の食品への異物混入時の加熱の有無および時間の推測を試みた結果について報告する。
    試験に使用したイエバエでは、死亡直後、翌日、3日後、1週間後、1ヶ月後および3ヶ月後について、チャバネゴキブリでは死亡直後、1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後および6ヶ月後について発色の状況を確認したところ、時間経過とともに発色が薄くなる傾向が見られた。また、加熱行程を経るとそれらは発色しないことが明らかとなった。
  • 金山 彰宏, 小曽 根恵子
    p. 6
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/01
    会議録・要旨集 フリー
    Triatoma dimidiataRhodnius prolixusのサシガメ二種は、グアテマラ共和国における主要なシャーガス病媒介種である。これらのサシガメには数多くの天敵が存在するが、なかでもサシガメの卵に寄生するクロタマゴバチ科のTelenomus fariaiとトビコバチ科のOoencyrtus venatoriusは、代表的な卵寄生蜂として中南米に広く分布する。
    今回は、寄生蜂二種の分散習性を確認するため、実験室において放飼を行った。
    T.fariaiO.venatorius いずれも、放置した卵に対する寄生率は低かったが、明るい窓際に放置した卵への寄生率は高く、強い走光性を示した。
    寄生された卵からの羽化個体数は正常で、特に変化はみられなかった。
  • 亀井 昭夫, 野田 桂子, 鎌田 誠, 佐藤 良明, 関根 厚司, 小菅 皇夫, 小曽根 惠子, 金山 彰宏
    p. 7
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/01
    会議録・要旨集 フリー
    室内塵からダニを採集するためには遠心沈殿法,比重法,浮遊法,ベルレーゼ法など,また,生きたダニを捕集する簡便法としてプレパラート・トラップ法が考案されている。しかし,これらの方法には一長一短があり,検査目的によって使い分ける必要がある。行政指導の現場においては,刺咬被害が疑われる場合等に,掃除機のゴミ等から簡便に生きたダニ類を確認する必要に迫られる機会が多い。
    今回,ツルグレン法を用いて掃除機のゴミからのダニ捕集を試みたのでその結果を報告する。また,遠心沈殿法の一法であるダーリング液遠沈法との比較も行った。
  • 霍野 晋吉, 香川 尚徳, 佐伯 英治
    p. 8
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/01
    会議録・要旨集 フリー
    5種エキゾチックペットに自然感染した外部寄生虫に対するイミダクロプリド(以下ICと略)の使用経験例を報告する。
    ノミが寄生したウサギ12頭について、ICを1頭あたり12.7~40.0mg/kgあて滴下投与したところ、その後の経過観察が可能であった8頭全頭において、4段階評価上位第2位である有効、あるいはそれ以上の成績が得られた。一方、カビアハジラミが寄生したモルモット15頭に対して、ICを28.2~80.0mg/kgで投与した結果、追跡が可能な13頭ではいずれも著効と判定された。1症例のみではあるが、モルモットズツキダニに対するICの駆虫効果も窺われた。フェレットではノミ寄生の2症例でICの有効性が確認された。これらすべての症例で、IC投与による副作用は認められなかった。きわめて少数例ではあるが、プレーリードッグとモモンガの症例も紹介する。
  • 高井 憲治, 池本 孝哉
    p. 9
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/01
    会議録・要旨集 フリー
    蚊科雄成虫の生殖器は、種の鑑別に役立つほど形態学的に特殊化が進んでおり、高次レベルの分岐分類学的指標としては不適当と考えられていた。ところが、基本構造のはっきりした相同性をもとに、鑑別ポイントの適切な取捨選択を行うことにより、われわれはこれを分岐分類学的に指標化することに成功した。近年Aedini族に関し新しい属を創設したReinert(2000)等を参考に、蚊科の代表的な分類群を、属を中心とした単位で比較して分岐分類学的に構成し直したところ、いくつかの新たな知見が得られた。
  • 佐藤 之義, 高橋 正樹, 鈴木 尚文, 三輪 俊樹, 片出 純子, 牧鶴 耕司, 曽根 美紀, 長谷山 路夫, 森 雅美, 太田 周司, ...
    p. 10
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/01
    会議録・要旨集 フリー
    港湾区域及び空港区域には、蚊族が船舶・航空機を介して侵入し、定着する可能性があることから、検疫所においては検疫法第27条の規程に基づき、蚊族の生息状況や病原体の保有状況を定期的に調査し、衛生状況の把握に努めている。
    今回の成田空港検疫所において平成13年に実施した調査結果についてとりまとめたので、その結果を報告する。
    成虫の調査は、捕虫網、ライトトラップを用いて実施し、幼虫の調査はオビトラップ及び柄杓を用いて実施した。
    空港区域において蚊の成虫生息調査を実施した結果、5属8種19,612頭を採取した。その内訳は、シナハマダラカ161頭、コガタイエカ1,061頭、アカイエカ(チカイエカ含む)17,530頭、ヒトスジシマカ152頭、キンイロヤブカ360頭、ヤマトヤブカ31頭、オオクロヤブカ33頭、キンパラナガハシカ34頭及びその他トラフカクイカ、クシヒゲカ等250頭であった。また、航空機内においてシナハマダラカ1頭を捕獲した。幼虫については、調査地点39ヶ所中16ヶ所についてアカイエカ、コガタイエカ、ヒトスシジマカ、シナハナダラカ等の生息が認められた。
    捕獲した蚊の成虫のうち、感染症に関与するものについて各種の病原体保有状況の検査を実施した。シナハマダラカについてはマラリア原虫抗原検査、ヒトスジシマカ、イエカ属については黄熱、デング熱、日本脳炎、ウエストナイルウイルスの検出を目的としてフラビウイルスの遺伝子学的検査を実施した結果、いずれも陰性であった。
  • 奏 和壽, 栗原 毅
    p. 11
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/01
    会議録・要旨集 フリー
    土着マラリアは明治時代の内務省の調査で約20万人が知られる。昭和10年代でも北陸地方を中心にいわゆるマラリア五県と呼ばれる滋賀、福井、富山、石川、愛知県に多く約2万名の患者が発生した。最後まで残ったのは滋賀県の彦根市である。同地方のマラリアを防圧したのは昭和28年で徹底した薬剤散布と琵琶湖付近の湿地帯の埋め立てによった。一方、東京の江戸川の戦後マラリアも同様に薬剤散布により防除された。また南西諸島のマラリアは昭和36年頃まで発生した。国内のキニーネ丸薬の使用は、大正10年頃にも役場が住民に配布した記録がある。
  • 小林 睦生, 二瓶 直子, 栗原 毅
    p. 12
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/01
    会議録・要旨集 フリー
    セスジヤブカ(Ochlerotatus dorsalis)は九州から北海道に広く分布し、主に汽水の湖沼に発生する蚊である。成虫は昼夜間激しく人畜から吸血する。実験的にデング熱ウイルスに感受性が確認され、西部ウマ脳炎等のウイルスの媒介蚊である。本年7月下旬に網走市卯原内の能取湖畔の牛舎で多数の成虫を採集し、感染研内の飼育室で産卵させることを試みた。
    腰高シャーレ内の濡れた濾紙では一切産卵が見られなかったが、土およびバーミキュライトに産卵が見られた。卵は土の表面には認められず、溝の底面に1-3個づつバラバラに生み付けられていた。成虫の産卵行動を観察したところ、土壌中に潜る行動が見られ、表面から1cm以上も下層の土中で死亡した雌成虫が認められた。産卵が確認されたカップに水を入れたところ、孵化が見られたことから北海道では少なくとも2回発生することが確認された。
  • 二瓶 直子, 小林 睦生, 斉藤 康秀
    p. 13
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/01
    会議録・要旨集 フリー
    北海道におけるマラリア媒介蚊の種や調査地域の環境を把握する方法としてモバイルGIS(地理情報システム)を導入した。データの収集については、野帳、GPSカメラによる写真、空中写真、デジタルマップ、GPS受信機付CFカード等を用いた。モバイルシステムとして時期、年度、調査者が変わってもデータが収集できるナビゲーションが可能で、位置の精度が高く、情報量の多寡、調査の修正が適宜可能な方法として、GISソフトとしてArcView(Esri社)に組み込めるArcPad(Esri社)を装備したPDAを用いた。住所、経緯度、牛舎名、調査施設、地形、土地利用、蚊の成虫、幼虫の採集数を入力した。今後GPS受信機の機能・精度、PDAの容量や機種を検討し、長時間野外調査に適した環境を整備し、衛生動物の野外調査に広く応用できるモバイルGISを確立させたい。
  • 前川 博紀, 鈴木 武雄, 岡田 光由, 小林 和史
    p. 14
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/01
    会議録・要旨集 フリー
    [目的] 平成9年度から平成13年度までの5年間でネズミ相談件数の多い4地域(1km2)を選び、発生状況・地域特性・要因の検討を行った。
    [各地域の特徴]
    A地域 平成10年度に大学の解体を行った。
    B地域 平成13年度に親水公園建設を行った。
    C地域 商店街北側の住宅街は平成9年度から絶えず件数が多く、幹線道路の拡張工事も行っている。
    D地域 平成13年度に相談件数が急増した。この地域は12年度から建設工事が急増している。
    [考察] 4地域それぞれに大規模な工事が行われているが、工事と苦情の直接的な因果関係は認められなかった。苦情の増加は潜在的なものが顕著化した可能性がある。
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