腹直筋内人工肛門造設術にともなう開腹創と人工肛門の近接化は,創感染の危険性という問題を生じている。われわれはこの問題に対し,開腹創の位置を人工肛門近傍で3~4cm正中より偏位させる試みを行っている。
従来の開腹創による手術30例に比較し,新しい開腹創による手術4例では,下記の結果が得られた。
1)術中の視野,手技において,困難を訴えた術者,助手はいなかった。
2)開腹創と人工肛門の距離は,平均2.3cm広くなった。
3)2)により,術後早期(術直後)に装具を装着したままの状態でも,創の観察は容易であり,開腹創感染の危険性の減少も期待できる。
4)ケアにあたる看護婦からは,「術後早期の装具装着上の操作が容易になった」と肯定意見が得られた。
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