各種毒性および感染実験においては, その綜合的な効果判定として供試動物の成長観察が行なわれる。本報告は, かかる試験における個々の動物の異常な成長データを検出することを最終目的として, まず, 正常な実験動物 (マウス) の成長にx-Rs管理図法を適用しその有用性を検討した。
x管理図において, 異常データを示した個体はKK系雄1例 (離乳後) のみであって他のマウスはすべて正常な成長を示した。
これに対してRs管理図では, KK系で哺乳中68頭中10頭 (14.7%) , 離乳後68頭中33頭 (48.5%) , NC系で哺乳中44頭中3頭 (6.8%) , 離乳後44頭中22頭 (50.0%) とかなりのマウスで異常データが検出された。
以上から, 個々のマウスの成長中の体重に関する異常データを検出するにはx管理図の適用は有効であるが, 自己相関的な成長現象にはRs管理図の適用は有効でないと考えられた。
本実験における計算はすべて農林研究計算センターを利用したものである。
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